休日の魔。
▼不安の映画である。異国のフランスで言葉の不自由ななかパメラ・フランクリンにひたすら襲いかかる不安。勝手わからない土地なので、独りあちこちに動けるはずもなく、友達の失踪に彼女は右往左往する他はないのだ。▼ただ、その足枷が映画を停滞させている気がする。刑事を自称する男の協力も、不信感から拒否し逃げ出すパメラ・フランクリン。周囲に助けを求めるものの、パメラ自身は土地勘がないので能動的に動けない。探せない。だから、目の前に現れる怪しげな人物たちをかわすアクションしか彼女には起こせない。失踪の謎への探究もないのだ。▼とはいえ、異様に人気がないフランス片田舎の寂しく閑散とした雰囲気のおかげで、四面楚歌状態に追い込まれたパメラの孤立が生む緊張感を緩ませることはない。今の視点でみれば劇場用映画としてはスケール感に乏しいものの最後までもつれるストーリーも評価出来る。▼サイクリング中に事件に巻き込まれる不自然さを指摘も出来るが、むしろその点こそ評価したい。日常から非日常へ。現実を飛び越えるには不自然の方がむしろ面白い。