奪われたニューナンブ。
▼盗まれたリボルバー拳銃を巡るこの群像劇に流れる昭和末期の緩やかな空気が心地よい。バブル期だろうとみんなが豊かではなかったことを証明するように沢田研二の元警官も、拳銃を手に入れた少年も、ギャンブルに生きる柄本明と尾美としのりのコンビも金だけが全ての人生ではない。『リボルバー』は火山灰が降る地方都市を舞台にした物語だ。登場人物たちは人生の灰を振り落とすべく行動を起こすように見える。▼沢田研二のどこか普通ではない虚無的な警官像に、本作が映画版『探偵物語』のシナリオの実質の製作者荒井晴彦の脚本のためか、松田優作が思い浮かぶ。とらえどころがないイメージが嵌まり、松田+荒井で見たかった映画である。沢田研二に漂うデカダンな匂いもいいのだが。▼『リボルバー』は乾いたユーモアとペーソスの独特の世界ゆえに結末まで本筋と無関係な柄本明と尾美としのりのコメディパートは分離する事はない。それぞれの人生模様がリボルバーのシリンダーのように代わる代わる写し出され、そしてほとんどが空を撃つ。その人生の真実に「もののあはれ』という感傷が硝煙のように立ち昇る。