融合と破壊。
▼白黒のざらついた1作目の質感から変わって、ブルーの世界で爆ぜりまくる破壊衝動。北野ブルーの前に塚本ブルー有り、です。▼何度も観ているのに今回何故か『エヴァンゲリオン』への影響というか似たようなものを感じたのだ。血で繋がった実験台と試験官。トラウマ。異物との結合。そして全滅など。▼鉄に侵食される不条理な恐怖が、観客の悪夢と融合するような危なさを持っていた一作目。己れの内なる力を呼び起こし破壊に目覚める本作には、観客との融合は希薄かも知れない。マッチョ軍団もビジュアル的には強烈だが、一作目の狂った鉄女に襲撃されるほうが何故か現実的恐怖があったのだ。▼ただその分、破壊されつくした都市にひろがる虚空の清々しさ、美しさは心震えるものがある。終わりではなく、ここから何か始まる予感が木霊する。公開当時それは日本映画界そのものなのように感じた。同時期に海外では『レザボアドッグズ』も生まれ、新たな予兆はあったのだ。しかし今や塚本晋也監督は最後の星である。映画作家の誇りを賭けた孤軍奮闘振りに、あの予感が空振りに終わったように思え、無念でならない。