白い熱。

▼凶暴なギャングの破滅への道を描く本作はひたすら激闘の物語、正に白熱の映画だ。▼個人的に「白の熱気」という言葉にキャグニーの中に宿る狂気を見る。見境なしの暴力衝動ゆえに仲間から尊敬も信頼もされない彼にとって唯一の拠り所は母親なのだ。それを失い、弟のように思っていたエドモンド・オブライエンの裏切りで鬼連チャン状態と化した彼の狂気。その熱気は彼を自らをタンクと共に爆発炎上させたのだ。▼父親譲りの凶暴な血は、母親の気を引く為の仮病をいつしか本物の頭痛と変容させキャグニーを苦しめる。いわば呪われた男であり、寂しい人間でもある。▼追いつめられるほど彼の狂笑は激しさを増す。ラストのキャグニーの叫びには、何か開放感すら感じさせるものがある。縛りつけていた痛みからの開放。世界の頂点では縛るものは何もないはずだ。世の中全てぶっ飛ばせ、とばかりの彼の死に様に魂の自由を見てしまう私は不謹慎だろうか。