憧れ。
▼この映画、ずっとエロ映画だと思い込んでいた。あらすじを読むとそうとしか思えないのだ。きっとクライマックスは凄いのだろうと。▼今回初めて観たのだが、こんなに美しく切ない映画もあるまい。ここの海の優しく清らかな美しさは、少年の憧れジェニファー・オニールのイメージそのものなのだ。▼ 脚本家の実体験を基に書かれ、憧れの女性も実在したそうだ。現実では結ばれはせず、裸で抱き合っただけだという。これはこれでとても切ない。だから、映画は、もしそうだったらという作者の夢なのかも知れない。だが、どちらにしても二人には別れ以外の選択肢はないように思える。少年は未亡人の寂しさを受け止めるには幼すぎ、未熟だから。未亡人も酔いが醒めてしまえば、自分の愛する人への裏切り行為をゆるせない。ジェニファー・オニールは事後冷たい。温もりが欲しかったとはいえ酒の勢いで女神を演じ誘惑した傲慢さが後ろめたいのだろう。▼そんな美女ジェニファー・オニールと身体を重ねたものの少年を何故かあまりうらやましいとは思えない。触れてしまったら憧れというマジックは消えてしまうからだろうか。スレンダーな肢体より、眩しすぎる彼女の笑顔こそ本当に手にしたいことだったと思うのだ。