太陽の暗黒。
『戦争プロフェッショナル』という邦題には、幾分軽薄な響きがある。本作は徹底的ダーティに傭兵の生態を描きながらも、動乱の地コンゴに対しては真摯な視線できちんと語られている。何よりも主人公ロッド・テイラーの下した最後の行動には、およそ戦争をゲーム的にとらえる映画では、あり得ない切実さがある。原題『太陽の暗黒』が示すものとはなんなのか。
 太陽の位置、俯瞰で照らされた狂熱の戦場では、善悪の区別をつける余地を人に与えない。ダイヤのためなら手段を選ばない戦争屋も、暴虐の限りをつくす民兵たちもどちらにも正義はない。だが、そういう時にこそ人間性が試される。ロッド・テイラーは、仲間を殺した元ナチスの裏切り者を復讐のナイフで激情のまま血祭りに上げる。その蛮行を目撃した黒人兵は仲間としての連帯を拒否する。釈然としないまま帰路につくロッド・テイラーであったが、相棒ジム・ブラウンがこの金銭目的の闘いにある意義を持って挑んでいたことに思い当たる。ハイエナのような己れに気付き、彼は自らの処遇を軍事法廷に委ねるのだ。
  『戦争プロフェッショナル』は全編、自由を求めて燃えあがる暴力のカオスのなかで欲にまみれた血が裂けて吹き出す。太陽の暗黒とは、聖なる闘いを汚す許すべからざる存在のことなのか。だとすれば、それはすなわち傭兵なのだ。