
トラウマ克服ではないけれども、上記のショットを映画雑誌で見かけてからウン十年 、ようやく鑑賞した。フクロウ男と死体のオブジェ が並ぶ、このインパクト。まったく意味不明ながら強烈である。本編では、さらに羽根吹雪が舞い上がり、このシュールでデカダンな独特の美学は完全形態に極められる。ミケーレ・ソルヴァ監督は師匠アルジェント譲りの映像スタイルでスタイリッシュであるがシュールで夢魔的である。そもそも、劇場を暗躍するフクロウ殺人鬼という狂ったアイディアに勝機を見たソルヴァ監督は普通ではない。
本作の残酷描写は水準クラスだが、ヒッチコックの某作を彷彿させるサスペンスのほうは見事だ。しかし、『アクエリアス』はフクロウ男に尽きるだろう。動きづらい被り物をしながら、舞台上を死体で飾り立てるおぞましい殺人美学。アクシデントで不意に舞い上がった羽根吹雪の美しさに思わず見惚れ恍惚と座り込む姿 は生涯忘れられまい。
