挑戦の果てに。

第9話、黒木和雄監督、ゲスト原田美枝子。彼女は代議士を恐喝する危険な賭けに出る。原田美枝子のみずみずし感性の芝居がこのエピソードの魅力。賀津の旧友として小池朝雄がここから登場。
第10話、賀津の別れた妻、娘とのドメスティックな話と子供と逃亡する緒形拳のエピソードが平行して語られる。緒形拳が語る人生の哲学がそのまま賀津の生き方に被さり、結局容疑者緒形を逃がしまう。実際の勝新太郎家族で演じられる為メタな印象もあり要らぬ混乱を招くが、
そうでないと面白味がない。賀津は停職。
第11話。部下の谷の警察手帳が、奪われる。拳銃が奪われるのでは珍しくないので、アイディアは面白い。谷、水口大活躍。もっと話が転がせられると思うし、緊迫感も出せると思う。
最終回。 第一話で本庁から来た辺見は、小池の登場ですっかりおとなしくなった。水口の賀津の娘にプロポーズはかなり唐突だ。賀津は停職を解かれ、小池の犯罪を追う。チョイ役ながら安岡力也が、格好良い。コワモテの凄味よりダンディズムを匂わせる好演だ。 以上全話字幕付きで視聴した。DVD1枚に2話収録は、画質ともども残念。ヌーベルバーグ的との評価もあるが、即興演出がどこまで効果を上げたのか。自身が撮ったテレビシリーズ版座頭市の傑作エピソードような結果は得られなかったと思う。まず、賀津と言う警察官が勝新太郎本人にしか見えないのだ。キャラクターが、本人に被りすぎで、かえって賀津警視の性格がはっきりしない。座頭市は勝新太郎であり、勝新太郎は座頭市である、座頭市と言う時代劇はアドリブしようがドラマが安定している。最終的には逮捕の結末に向かう 刑事ドラマの場合、事件そのものが大事になるのだが、度々焦点がぼやけている。
しかし『警視K』は全話繋がっているので、あくまでも事件は通り過ぎ る出来事なのだ。賀津に日常の中の小さな出来事、心の動きは経験として積まれる。そちらが大事だと思うと出演者は身内が多いのも納得がいく。時代劇俳優勝新太郎の現代日本 へのアプローチは失敗したかもしれないが、実の娘と何気ない普通の日常を演じることは意義深いものであったに違いない。