ドンパチこそ我が映画人生。

銃撃戦というのが、とにかく好きだ。素手の格闘より 刀の斬り合いより。偽物の拳銃ごっこなんてガキっぽいと自分でさえ思う時がある。でも、鉄砲の撃ち合いに何かを求めている。引き金にかかった指先にドラマを求めているのかも知れない。
『スコア』はドンパチ好き室賀厚監督作品だ。『レザボアドッグズ』の衣装をまとい、ジョン・ウー+マカロニウエスタンの世界が展開する。それらを指摘して、物まねだと批判する気持ちはさらさらない。ただ話的に殺人鬼カップルが、どうにも邪魔だ。『ナチュラルボーンキラーズ』の公開は、本作の後だがあれくらいパワフルでなければギャングたちに絡めまい。武装も格好も志もみすぼらしい。『スコア』の原型『ワイルドビート』にはカップルどころか、女性はラストシーンまで出てこない。この手の映画において魅力的なヒロインの造形が大きな鍵を握っている。それがフィジカルだけの問題ではないことは後の『ガン・クレイジー』シリーズで室賀監督自身が証明してしまったが。この映画が特異なのは銃撃戦に特化した結果、ひたすら撃ちまくることで、大袈裟にいえば人間と銃器が一体化の境地まで達してしまったことだ。銃口がありったけの大声で叫び、吼える。昨今のリアル路線のものとは違うほとんどのファンタジー領域だ。リアル=金の世界で、安っぽくてくだらない、つまらないことに命を捨てる人間たち のドラマは何時だって観る者の心臓を射ち抜かざるえない。