ワイルドだろ?!

「全編ストリートファイト」映画の評価もあり、まさに疾走、乱闘、銃撃で語らしめる。とにかくワイルド。ミッキー・スピレインの原作は第二次大戦後が舞台だが、映画は製作時の80年代で、ハマーにはベトナム帰還兵の設定も付加され、一連の「暴れる帰還兵」映画の側面も見れる。アーマンド・アサンテのハマーは人間兵器ばりの能力で活躍するので、一般的に思い浮かべるイメージとしてのハードボイルドは希薄なのだが、30年代のパルプマカジン風に漫画的なまでに行動で語ることで先祖返りしたとも思える。何より素晴らしいのはバーバラ・カレラ、ローレン・ランドンの過剰なまでのセクシーな女振りで、パンツに拳銃隠すランドン、カレラのストリップ、素敵です。正直ワイルド過ぎて現代では眉をひそめる描写も多い。実際 VHS版では画像処理されたほど過激さだ。かなりご都合主義の展開もアクションシーンの緊張感を半減させている。しかし、タイトルが示す通り暴力による徹底制裁において、ハマーはまったく揺るがないし、平然と遂行し、去る。その乾きっぷりに痺れます。