皆さん、ご機嫌よう! タカミックスです。

 

 実は最初に憧れたヒーローがクリストファー・リーブのスーパーマンだったりするタカミックスです。

 

クラーク・ケント(クリストファー・リーブVer.)


 意外と指摘する人が少ないんですけどヘンリー・カヴィルやブランドン・ラウスが演じたクラーク・ケントって、スーパーマンがファッションに合う眼鏡を掛けただけなんですよ。

 
クラーク・ケント(ヘンリー・カヴィルVer. 滲み出る良い男臭!)
 
クラーク・ケント(ブランドン・ラウスVer. 惚れてまうやろ!)
 
 それに対してクリストファー・リーブ演じるクラーク・ケントはダサ目の眼鏡とダサ目の髪型、猫背、ドジ、声のトーンも高めと冴えない男感満載なんです(充分過ぎる程々にハンサムですが)。それがスーパーマンになると一気に頼れる男になるので、その対比が非常に面白かったんですね。
 
 そんなクリストファー・リーブ演ずるスーパーマン、続きに行ってみましょう!

 

始まるよ!

 

 1978年映画スーパーマンがヒットする中、リチャード・ドナーによって中断していたスーパーマンⅡの撮影が再開されました。とは言ってもスーパーマンⅠ、Ⅱと同時に撮影していたのでスーパーマンⅡも7割の撮影が終わっていたと言います。

 

 しかし残りの3割ですが、リチャード・ドナーが本来ならスーパーマンⅡのラストシーンであった地球大逆転エンドをリチャード・レスターによって使われてしまいました。なので新たなラストシーン撮影についてリチャード・ドナーが頭を悩ませている中、再びリチャード・ドナー解任騒動が始まったのです。

 

 スーパーマンのヒットも手伝って気を良くしたサルキンド親子はリチャード・ドナーは撮影に時間(と金が)が掛かり過ぎる、何とかしてくれ! と言い出せば、リチャード・ドナーも芸術に金と時間が掛かるのは当たり前田のクラッカー! と言い合い(何度目だ?)となります。そんな対決を面白おかしく(いや、事実か…)マスコミにも騒ぎ立てます。いい加減サルキンド親子との言い合いに疲れたリチャード・ドナーは、自ら言い出したのかクビになったのかは分かりませんが遂に監督解任となります。

 

 目の上のタンコブだったリチャード・ドナーを解任できたサルキンド親子は狂喜乱舞、新監督には再び「イギリスだけは勘弁してしてチョチョリーナ」と監督降板をしたガイ・ハミルトンに声を掛けようとします。

 

ガイ・ハミルトン

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 しかしココでも配給先のワーナー・ブラザースが「何のためにリチャード・レスターが現場にいるとよ? 続きはリチャード・レスターで良かとですたい!」と半ば強引にリチャード・レスターを新監督に任命しました。

 

 こうして新監督に任命されたリチャード・レスターがスーパーマンⅡでの残り3割の撮影を開始します。

 

 が、ここでも問題が起きます。マーロン・ブランドがスーパーマンⅡでもギャラが出るんだろうな? と言って来たからです。

 

マーロン・ブランド

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 どう言う意味かと言うとマーロン・ブランドは映画出演のギャラとは別に興行収益からもギャラが払われる契約(何と興行収益の11.75%!)を結んでいたのです。なのでリチャード・レスターがリチャード・ドナー版で撮影済みのシーンを使ってしまうと興行収益の一部を追加ギャラでマーロン・ブランドに払わなければならなくなります。

 

 リチャード・レスター&サルキンド親子はマーロン・ブランドに対し法外なギャラ貰っといてまだ貰う気かい! と怒り心頭、何とリチャード・ドナーが撮影していた出演シーンをバッサリカットしました。

 

カットだ、カット!(リチャード・ドナー版スーパーマンⅡより)

 

 そして新たにスーパーマンの母親ララ・エル役であったスザンナ・ヨークとの対話シーンを撮影しました。

 

父ちゃんのせいでゴメンネ!(ララ・エル:追加ギャラが貰えるから良いのよ… リチャード・レスター版スーパーマンⅡより)

 

 が、更に困ったことが! ヒロインであるロイス・レイン役のマーゴット・キダーが激痩せしていたのです。

 

ロイス・レイン

 

 それでも早撮りで有名なリチャード・レスターはマーゴット・キダーの激痩せに構わず撮影開始! なので新規撮影された冒頭のエッフェル塔やラストシーン等では元々スレンダーなロイス・レインが更に痩せ細ってしまいました。

 

左が1作目で右が新規撮影されたマーゴット・キダー(あんま変わらんか?)

 

 何分マーロン・ブランドがエキセントリックな性格をしているので気付き難いのですが、このマーゴット・キダーも中々エキセントリックな性格をされてまして… 後年には精神疾患にもなってしまい疾走、一時期立ち直ったとも思われたのですが最後は薬物中毒で自○(長年事実を伏せられていた)されてしまった方です。

 

 そんなロイス・レインの激痩せにも構わず、新たに撮影したシーンも含め完成した映画は『スーパーマンⅡ / 冒険篇』として公開されました。

 

スーパーマンⅡ / 冒険篇

 

 『スーパーマンⅡ / 冒険篇』あらすじ:パリのエッフェル塔がテロリストに占拠された。スクープを狙うドジっ子ロイス・レインは警官の規制を無視してエッフェル塔に潜入! しかしテロリストはドジっ子ロイスが潜入してるとも知らずにエッフェル塔のエレベーターに爆弾をセットした。本来ならタイマーを始動させなければ爆発しない時限爆弾であったが、ひょんなアクシデントから時限爆弾のタイマーが始動!

 

そんなドジっ子ロイスを救うため、クラーク・ケントはスーパーマンに変身して爆弾が仕掛けられたエレベーターを地球圏外へ放り投げた。しかしその爆破は故郷クリプトン星を追放され、ファントム・ゾーンに閉じ込められていたゾッド将軍ら3悪人を自由にしてしまう。何と地球圏外で爆破したエレベーターが3悪人を閉じ込めていたファントム・ゾーンをも巻き込んでしまったのだ!

 

超能力を利用して地球征服を挑む3人。ロイスとの愛を実らせるため一度は超能力を捨て、1人の地球人として生きることを決めたクラーク・ケントだったが、危機に瀕した世界を前に3悪人の挑戦に立ち向かう!

 

 さて、スーパーマンⅡの大半以上がリチャード・ドナーの撮影であるにも拘らず、監督としてクレジットされていたのはリチャード・レスターのみでした。作品のキモとなる部分は全てリチャード・ドナーの撮影の筈なのに?

 

 リチャード・ドナーがクレジットに関して良く文句を言わなかったな? とも思いますが、リチャード・レスターは極力リチャード・ドナーが撮影したカットを使わずにスーパーマンⅡを撮り直した説があります(激痩せのロイスがちょくちょく出てくるのはそのため)

 

激痩せロイス

 

 またワーナー・ブラザースはリチャード・ドナーに対して共同監督としてクレジットすることを提案したが、試写の出来に幻滅したリチャード・ドナーがそれを拒否したとも聞きます。

 

 確かにリチャード・レスター版のスーパーマンⅡはコミカルなシーンもあります。ただリチャード・ドナーが幻滅する程酷い出来だったか? と聞かれると、決してそんなことはなかったと思うんですよね…

 

 映画ファンは『スーパーマンⅡ / 冒険篇』をリチャード・ドナーがメインで撮影した硬質なフインキ(何故か変換できない)と、リチャード・レスターのナンパな撮影が上手くブレンドされた良い映画だったと言います(当時からリチャード・ドナーがスーパーマンⅡを撮影していたことは知っていた)。実際『スーパーマンⅡ / 冒険篇』がシリーズ最高傑作と言う人もいます。

 

 話しが横道に逸れますがスーパー3悪人での紅一点、アーサ役のサラ・ダグラス。

 

アーサ(演:サラ・ダグラス)


 実はこの人、ロイス・レイン役のオーディションを受けていたそうです。しかしロイス・レイン役はマーゴット・キダーがゲットしました。方やサラ・ダグラスは強くて悪い女、アーサ役の方をゲットしました。
 
 因みにこの人、身長が178cmもあります。178cmって世界一性格の悪い男、鈴木みのると同じ大きさですぜ! それだけ身長が高いのに(衣装の靴もヒールだし)劇中で背の高さを感じないのは3悪人の一人であるノン役のジャック・オハローラン(元プロボクサー)、彼の身長が198cmとサラ・ダグラスよりも20cmも高かったからなんです。3悪人のリーダーであるゾット将軍役のテレンス・スタンプも183cmありましたからね。
 
スーパー3悪人(左からノン、ゾット将軍、アーサ。この絵だけ見たら背の低い女の子だよな)

 

 スーパーマン、クリストファーリーブの身長は193cmありましたら仮にサラ・ダグラスのがロイス・レインを演じても釣り合いは取れるんでしょうけど、彼女が働くデイリープラネットの面々より身長が高くなってしまいます。

 

ジャッキー・クーパー(175cm、編集長ペリー・ホワイト役)、マーク・マクルーア(176cm、カメラマン、ジミー・オルセン役)

 

 タカミックスは個人的に女性の背が高くても良いんですが、世間的なイメージとしてヒロインは周りよりも背が低い方が良かったんですかね? と言ってもマーゴット・キダーも身長169cmと日本人の感覚だと十分長身に入るヒロインですが…

 

身長169cm日本人だと新垣結衣ですかね? (新垣結衣の隣は舘ひろし。因みに舘ひろしの身長は181cm

 

 マーク・マクルーアはスーパーマン繋がりでジャスティス・リーグにカメオ出演してましたね(気づかんかった…)

 

マーク・マクルーア

 

 では、もし全てのパートをリチャード・レスターが撮影していたらどうなっていたのか? ソレはリチャード・レスターが全編を撮影した作品『スーパーマンⅢ / 電子の要塞』で実現します。

 

つづく