働き方改革が盛んに言われるようになったが『わたし、定時で帰ります。』(朱野帰子/新潮社1400円)は、その時流をうまく捉えたお仕事小説。読んでみるとタイトルと装丁ほど軽い小説ではなく、内容は結構シリアスである。
 主人公は時に批判されながらも絶対に残業しないと公言する大手IT企業の会社員、東山結衣。ワーカーホリックである上司で元婚約者、体調不良でも決して休まない同僚、すぐに仕事を辞めると言い出す後輩たちに囲まれ、出世も望まずただ定時に帰るために仕事に集中する結衣だが、どんどん思わぬ方向に…。「死ぬくらいなら仕事辞めればいいのに」と思う方にこそ読んでいただきたい。


 次に紹介するのは『事件』(大岡昇平/創元推理文庫/1300円)である。昨年、創元推理文庫から復刊されるまで未読だった私は読んで唸ってしまった。決して派手ではなく地味で重厚な作品だが、知的好奇心をくすぐる傑作だったのだ。もとは1961年に新聞に連載されていたものを加筆修正し1977年に刊行され、ベストセラーとなり、日本推理作家協会賞を受賞したほか、映画化やドラマ化もされている。
 山林で若い女性の刺殺体が発見され、19歳の工員が逮捕される。彼は事件翌日から被害者の妹と駆け落ちして同棲していた。目撃証言もあり、一見するとそこまで特殊性のない事件だが、裁判が進むにつれ、意外な事実が解明されていく。展開の面白さももちろんあるのだが、それよりも淡々と細かい事実を積み重ねていくその過程が興味深い。ベストセラー作家の宮部みゆきが本書を読んで法律事務所に転職したというエピソードがあるが、それも納得である。
 

 連日、記録的な猛暑が続いています。今年の夏はほんとうに暑い!こうも体温を超える気温の日が続くと、体調の維持管理も簡単ではありません。室内にいる際も、こまめに水分・塩分補給をし、空調の設定温度を適切に管理するなど熱中症対策をきちんとしておきたいものです。
 その暑さにも関連しているのかもしれませんが、今年は異常気象がもたらす災害が多く発生してしまいました。7月上旬の西日本を襲った広範囲にわたる豪雨の被害は甚大でした。まるで町が水没してしまうのではと思うほどの豪雨は想像を絶します。その後もかつてない経路を進んだ台風12号や東北・関東でも豪雨による被害がありました。日本だけでなく、アメリカのカリフォルニアやヨーロッパのギリシャでも猛暑の影響で山火事が頻発したり、世界各地でも豪雨による被害があったりと「地球温暖化」がいよいよ目に見える環境変化として現れてきたように感じます。
 これからもこの暑さが続くと思うと気が滅入りそうですが、特に夏は地域のお祭りなどイベントがたくさありますので、暑さ対策を十分にしながら楽しんでいきたいと思います。

 7月13日に久しぶりにビエント高崎にて当事務所主催のセミナーを開催しました。テーマは相続と事業承継税制とM&A。事業承継については群馬県商政課に、M&Aについては(株)日本M&Aセンターに講師をお願いし、多くの方にご参加いただきました。当事務所も経営革新等支援機関(認定支援機関)として、皆様の事業承継を引き続きフォローしていきたいと思っております。何なりとお申し付け頂ければと思います。

 盛り上がりにかけていると思われたサッカーのワールドカップですが、日本代表の予想外(?)の活躍で決勝トーナメント進出、そして優勝候補のベルギーとの好試合と大いに盛り上がりました。惜しくもベルギーに敗れてしまいましたが、試合内容が良く、観ていて面白いサッカーでした。急遽監督になった西野さんが退き、新たに日本人の森保監督が誕生しました。世代交代が課題ですが、また面白いサッカーを期待したいと思います。
 そしていよいよ第100回になる全国高校野球選手権が開幕しました。史上最多となる56校が参加する中、松井秀喜さんが始球式を行う開幕試合を母校である石川県星稜高校が引き当てるという奇跡的な巡り合わせもありました。2度目の春夏連覇を狙うタレント揃いの大阪桐蔭が頭一つ抜けていますが、一発勝負の高校野球は何が起こるかわかりません。群馬代表の前橋育英にも頑張ってほしいし、100回目の夏を楽しみたいと思います。

                    前橋事務所 設置のご案内
 このたび、前橋市南町にあるあべ会計事務所を7月1日より税理士法人原澤会計 前橋事務所として承継いたしました。あべ会計事務所は、会長の原澤秀男が創業前に勤務していた宇野会計事務所の後継であることから、今回さまざまなご縁があり承継する運びとなりました。
 関係する皆様へ感謝するとともに、歴史ある事務所を引き継ぐにあたり、身の引き締まる思いです。前橋事務所では永井が所長を務めさせていただきます。今後ともよろしくお願い申し上げます。
 

 趣味は読書と公言し、学生時代は本屋さんでバイトをしていたほど本好きである私も、具体的にどうやって本が作られているかを知る機会はほとんどなかった。それを小説として著したのが『本のエンドロール』(安藤祐介/講談社/1650円)である。
 主人公は大手出版社と緊密な関係にある印刷会社営業の浦本。彼は就活生に自社のことを「本を造るメーカー」と宣したのだが、営業部エースからは「印刷会社の仕事は注文された仕様を忠実に再現すること」だと批判され、自社工場からは「お前は出版社営業の伝書鳩だ」と窘められる。紙の本はなかなか売れず、電子書籍への移行が進み、印刷会社にとっては先が見えにくい時代。そんな中で奮闘するうちに、出版社の人間も作家も様々な想いをもって本づくりをしていることに気づいていく。
 物語の視点が入れ替わる作品は読みにくくなりがちだが、もともと軽いタッチで読みやすいのが特徴の著者なので、全く問題なく読める。むしろ視点を変えることで、見えなかった部分が見えてくる利点を選んだのだろう。一見して理不尽に思えることでも、理由がわかれば目的はみな同じ「いい本をつくりたい」であることに気づく。本書のエンドロールには実際にこの本に携わったほとんどの人の名前が刻まれている。本に対する想いの詰まった本である。
 


 時代小説には文庫書下ろしでシリーズ化し、スマッシュヒットしているものが多いのだが、その中でも手に取って「おっ」と思った一冊が『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』(今村翔吾/祥伝社文庫/740円)。江戸時代の火消し組織の物語でその設定も面白いが、本編も読ませる。
 かつて江戸随一と呼ばれた武家火消の松永源吾は、ある火事が原因で妻と貧乏浪人暮らしをしていた。そこに出羽新庄藩から突然仕官の誘いがある。予算も人員もない中、人集めから人心の掌握に奔走する。
 純粋に当時の火消しの情報小説としても興味深いが、何より源吾の熱量が本書の特徴だ。火消しのプロとしての矜持は胸を熱くさせてくれる。今月には第5巻が発売され、まだまだ続く人気シリーズになること間違いなしだ。


 今村翔吾の経歴をふとみると笹沢左保賞を受賞しているのだが、その笹沢左保を一躍有名にしたのが木枯し紋次郎だろう。『流れ舟は帰らず木枯し紋次郎ミステリ傑作選』(笹沢左保/末國善己編/創元推理文庫/1300円)は木枯し紋次郎もの10編を収めている。
 いわゆる股旅ものの先駆けで、三度笠を被り長いようじを咥えて無宿渡世の旅をつづける紋次郎が巻き込まれる事件の数々。「あっしには関わりのねえことでござんす」という決め台詞はもちろん、ミステリとしてもハイレベルで紋次郎の名推理が味わえる文字通り傑作選だ。
 それにしても近年、創元推理文庫は柴田錬三郎の眠狂四郎も同じように傑作選を編んでいたり、大岡昇平や日影丈吉の佳品を文庫化したりと実にいい仕事をしていると思うのであります。

 

 

7月13日(金)相続・事業承継セミナーを開催いたします

 税制改正により、事業承継の際の贈与税・相続税の負担を軽減する「事業承継税制」が、今後10年間に限って大きく拡充されます。

 どなたでもご参加いただけますので、ご興味のある方はぜひお申込みください。

 お電話でのお申込みも受け付けております。

 

 新緑の映えるいい季節になりました。とはいえ、近年は寒い冬のような日だと思ったら翌日からものすごく暑い日が続くなど、春の暖かな過ごしやすい日が少ない気がします。季節の変わり目は何かと体調を崩しやすい時季ですので気を付けていきたいものです。

 

 平成30年度の税制改正が4月より施行されました。今回は、個人所得税と事業承継税制に大きな改正がありました。特に事業承継税制に関しては、これまでの承継税制に比して抜本的な改正がなされた特例が創設されています。

 昨年の10月に日本経済新聞で「大廃業時代の足音」として大きく取り上げられました。日本の中小企業250万社のうち2025年には経営者の6割が70歳を超えるが、約半数にあたる127万社が「後継者がいない」と回答していることを受けての記事でした。今年に入ってからも「大廃業時代シリーズ」と銘打って連載されていましたのでご存知の方も多いと思います。

 いよいよ政府としてもお尻に火がついて本腰を入れた結果が、この新たな事業承継税制の特例といえるでしょう。具体的な制度の概略ついては今号のワンポイント税法に掲載していますのでご参照いただければと思います。

 

 この冬から春にかけては、スポーツの話題が盛りだくさんでした。平昌オリンピックでは過去冬季五輪最高の13個のメダルを獲得し、中でも高木姉妹のメダル獲得や、羽生結弦選手と小平奈緒選手の金メダルは特に感動的でした。

 高校野球では春の選抜で大阪桐蔭高校が連覇を成し遂げました。プロ注目の選手を多数擁し、前評判通りの強さで大会を制しました。今年の夏はいよいよ甲子園第100回の記念大会。昨年逃した春夏連覇なるか注目です。

 サッカー界では、ワールドカップ直前にしてハリルホジッチ監督が解任される事態になりました。最近は結果が出ず戦術的にも迷走しているという意見もあったようですが、間もなく始まる6月の本大会では一枚岩となって頑張ってほしいと思います。

 そんな中でも特筆すべきはメジャーリーグデビューをした大谷翔平選手でしょう。オープン戦では結果が出ず不安視されていましたが、このメジャーデビュー1ヵ月の衝撃は打者としても投手としても過去にないものでしょう。そもそも、1人の新人選手のためにローテーションを組み替え、プホルスという殿堂入り確実の大打者を守備に就かせるというチーム改革を断行したエンゼルスにとって、大谷選手はちょっと活躍したぐらいでは見合わない選手でした。それがふたを開けてみればご存知の活躍ぶり。日本でも最初は二刀流に懐疑的な意見が多かったですが、日本ハムで育てられたことで投打に活躍しました。育成が得意といわれるチームに入団できたことに彼の才能と同じぐらいの強運を感じます。

 時を同じくしてレジェンドイチローが球団特別補佐に就任し、今季残り試合に出場しないという異例の契約を発表しました。事実上の引退ともいわれていますが、2人の対戦を観てみたかったと思うファンも多かったでしょうし、感慨深い思いがします。

 

 平成という元号も残すところ1年となりました。新たな元号の発表は来年の年明け以降となるようですが、こちらもひとつの時代の終焉ということになりそうです。改めて元号というものを考える契機になるかもしれません。