ストーカー被害、最悪の場合は「転職」も

かつて、ドラッグストアの女性店員が客に目をつけられ、さんざんとつきまとわれたあげく、殺されたという事件がありました。同僚たちは、彼女の事情を知っていたので、交代で送り迎えするなどしていたそうです。ところが、同僚が離れたほんの一瞬の隙をつかれて、ストーカーに殺されてしまったのです。女性はストーカーから逃れるために、上司に事情を話して転属を申し入れていたといいます。ところが、本社がそれを聞き入れず、結局女性はストーカーに殺されてしまいました。女性の遺族は、事情を知っていながら対処を怠った本社にも責任があるとして訴えを起こしました。遺族の主張するように、会社が転属さえさせていればストーカーから逃れることができたのかもしれません。いくら引越しをしても、勤め先を知られているかぎり、執拗なストーカーから逃れるのはむずかしくなります。退社時間を狙って尾行すれば、新しい住居はたやすく突き止めることができます。自宅はわからずとも、会社に押しかけたり電話したりするようになる可能性もあります。たしかに、ストーカーのような悪質で卑劣な人間のために、なぜ仕事まで奪われなければいけないのかという気持ちにもなります。しかし、それよりもずっと理不尽なのは、ストーカーに命を奪われてしまうことなのです。ストーカー被害にあっている人は、けっして自分を責めず、勇気をもって行動してもらいたいと思います。「ぜったいに負けない」という意識を強く持つことだとても大事です。ストーカーを放置すればするだけ、事態をより複雑に、解決困難にしてしまいます。それには、まず家族、友人、保護団体、警察などの力を最大限に利用することです。周囲のサポートを得て、ストーカーを撃退し、平和な生活を過ごせるようにしていきましょう。