内戦の発生メカニズムの研究が、いろいろ分かってきておもしろくなってきた。
一番、内戦が起きやすいのは、完全な独裁体制でも、完全な民主制でもない、
中間政体である、アノクラシーという状態で起きやすいんだけど。
まぁ、民族とか、人種とか、宗教とかによる派閥間の抗争が直接的な引き金なようだ。
それも、自分の派閥の権益しか考えてない、政党や、政治リーダーが民衆を扇動する場合もあるけど。
こういう対立がなぜ起きるかというと「格下げ」というのが関連しているらしい。
旧来、既得権益層にいた有力な勢力が、他民族や他人種とか他宗教の移民などの増加によって、
社会の主要勢力が入れ替わって、支配的地位・指導的地位を追われる際に、内戦が発生することが多いようだ。
土着民族が、流入してきた民族によって力を失って行って、新勢力が拡大して権利を奪っていくときとか。
公用語が変わるような段階ではインパクトが大きいみたいだけど。
従来土着の人が使っていた正当な言語が、使えなくなるようなときとか。
しばらくは我慢強く耐えているんだけれども、まぁ、政権側が勢力拡大する新規勢力の味方について
力を失いつつある旧勢力を弾圧するということになったときに問題が生じる。
旧勢力は初めは平和的に抗議デモなどをやっているけれども、
それは政権側が自分たちの要望を受け入れて政治改革してくれるとの希望を持っている段階であって
これを政権側が力を伸ばす新勢力に加担して少数派となりつつある旧勢力を弾圧などしたときに
絶望に変わり、武力行使以外の手段が見つからなくなった段階で・・・・・・・・・・・・・
民族解放戦線とか自由解放戦線みたいなのが「格下げ」される「旧勢力側」に組織され、戦闘になっていく
なんてことのようだねぇ
例えば、移民と直接的に競合しやすいのは、地方の農家とかそういう人達もそうらしい。
都市部の教養ある支配勢力は、移民と労働市場などを競合しないので、
あまりそういう人達とは喧嘩にならないけど。
うーーーーーーーーーーーーーーーーん。
「アメリカは内戦に向かうのか」バーバラ・F・ウォルター
アメリカの政治学者が書いた本だけど、、世界中の内戦の歴史を紐解いて発生パターンを子細に分析してる。
いろいろ参考になるなぁ。
これ恐らく社内政治とかも、縮図とも言えるのかもしれないけど。
こういう政治学的側面での教養は、組織社会では自分で学ばない限り誰も教えてくれないけど
公務員組織とかでは恐らくその辺の力学分かってるような人が、出世していくのだろうけど
ああいう組織はほぼほぼ政治力学で動くからね・・・・個人の仕事の能力とかではなくて。