「こいつは仕事はできるけれども、人格や人間性に問題がある。」

ということで、飲み会で印象操作をして個人を囲い込んで潰すための情報工作をするというのは。

必ず裏の真意がある。

大部分の場合は、あくまで自分の利益の追求にとって不都合な人間を消し去りたいだけなのである。

なんの法律も破っておらず、言われたとおりに真面目に仕事をしているだけの人が、

厳しく糾弾されることもあれば。

できるだけ大勢の敵を殺戮した人が、英雄として崇められる場合も人間社会にはある。

最後は、結局、政治なのである。

誰かがその人にとって好都合な働きをしてくれるのであれば、

それは例え殺人だろうと、賞賛され、英雄と認識される場合もある。

戦時や革命時においては、虐殺や、強姦、略奪・・・・

これらが人として間違った行いとされない場合もある。

そして人間の歴史は常にその繰り返しでもあった。

自分は、最初は言われた通りにだけ従って、スローガンのために仕事していたけれども

社会に出て2年目に気が付いたのは

「それぞれの立場における、それぞれの利益が、それぞれにとっての正義である。」

という冷酷な人間社会の真実であった。

事実は、たったそれだけのことなのである。

その追求のために、どれだけ周囲の人間を取り込んで、

マインドコントロールして物事を自分にとって有利な方向にもっていくか・・・・

それだけのことである。

まぁ、大部分の人がやっていることは、

他人に利他を実践させ、自分はあくまで自分の利益を追求するというスタンスである。

そして、自分にとって不都合な存在や邪魔な存在は、潰す。

これが、言われた通りに黙ってスローガン通りに真面目に研鑽して仕事をする人なんかよりもずっと

豊かな人間性を備えたすばらしい人間らしい行動であるということを、俺は身をもって叩き込まれた。

どうやら、それが人間というすばらしい生物らしい。