イラクのサダムフセイン政権がイラク戦争によって米国によって倒されてフセインが殺されたのも
リビアのカダフィ政権がNATOの支援する反体制派によって倒されてカダフィ大佐が殺されたのも
ベネズエラの政権がアメリカの支援する革命勢力によって崩壊したのも
石油代金の決済を米ドル以外の通貨を使用しようとしたからのようである
米国がいくら対外債務を累積させても破綻しないのは
自国民から徴税できているからではなく、
米ドルが米ドルとして国際決済通貨として世界で使われているから価値を保っている。
日本政府も売却できない米国債を大量に持っているが、
1ドル札が1ドル札の価値を保っているのは、
それに1ドルの価値があると信じて皆が使うように強大な軍事力を背景として世界に強制してきたからである。それによって米国債の価値も保たれている。
だからアメリカはいくら米国債を発行して借金し続けても、米国債も価値を持って流通し続けることができたし、お金もいくらでも印刷すればアメリカは世界から借金して自由に使えたようである。
アメリカ経済はそのような基盤の上に成り立っていたようである。
この通貨支配体制を維持するために、戦争で非常に多くの人間が亡くなった。
イラク戦争では、日米戦争での戦死者の倍くらいの人間・・・100万人以上が命を失ったようである。
最近の米国には、そこまで強烈に世界的な通貨支配体制を維持することも難しくなってきているようである。
今ではアラブの産油国も石油の決済通貨に人民元を使用していたり、ロシアはルーブルでの決済をヨーロッパ諸国に求めている。じゃないと石油や天然ガスを外国に売らないという姿勢だ。アラブ諸国、アメリカ、ロシアは世界の三大資源国である。アラブ諸国もロシアもエネルギーの供給元という経済の生命線を握っていることで国際社会に対して強い政治力を持っている。
BRICS(ブラジル、ロシア、インド、チャイナ、南アフリカ)という振興五か国は、最近はイランとUAEを仲間に入れて、新たな共通通貨を立ち上げる構想を表立って進めているようである。
米ドルによる通貨支配体制を弱めてアメリカ経済に戦いを仕掛ける動きがある。
うーーーーーーーーーーーーーーーーん。
まぁ、米ドルの崩壊はすぐに起きるものでもないし、数値で危険度を示せるものではないけれども、大きな政治の流れとしてみれば、いずれは国際決済通貨としての地位を失っていく流れになるのかもしれない。
だから、今すぐ個人が持っている米国債を売らなければならないといったことでもないのだけれども。
BRICSは新たな通貨体制構築に向けた動きとして、やはり強烈に金を買い集めている。
金価格は最近、一部下落する動きがみられたが、また上昇していくのかもしれない。
約60年周期で動く長期の金利・物価循環であるコンドラチェフ長期循環の上昇局面は、覇権交代期に相当する。約30年間の覇権抗争を経て勝利した者が繁栄し、その後のデフレ期の秩序を主導するようになる。
覇権が防衛される場合もある・・・その結果を大きく左右するのが、強烈な技術革新である。
アメリカのマグ二フィセント・セブンといわれる巨大テック系企業7社の時価総額は、S&P500種の3割を占めている。これらの企業がAI革命という強烈な技術革新によってさらに力を付ければ、もしかしたらアメリカ全体をけん引するくらいにもなり得るかもしれない。それが米国の覇権防衛・・・崩壊阻止につながるのかどうかは・・・自分にはよくわからない。なにせ米国内の格差はこれまで米国支配層の牙を抜くような結果になる致命的な敗戦は米国独立後してきていないし、国内で革命などに遭うこともなく格差は広がり続けていて、巨大な富の不均衡が発生していて国内の治安状況や秩序はかなり荒廃してきている状況である。うーーーん、米国の繁栄も既にピークアウトしつつあることは確かなことではあるけれども、AIによる技術革新の動向がどうなるかによっては、ある程度は延命することもできるのだろうか。
世界的な覇権交代期には、世界大戦が生じるリスクも無論高まるかもしれない。
これは、強大な軍事力を背景とした米ドルの通貨支配体制、技術革新の動向、米国内の格差の極大化による内部からの体制崩壊や革命のリスクだけでなく、膨らみ続けている米国の株バブルの崩壊リスクによってもまた左右されるのかもしれない。1929年の米国株式市場の大暴落に続く世界恐慌から世界大戦へと繋がっていった一連の流れ・・・・・。あの時は3年くらいで米国のダウ工業平均株価が1/10に下落し、それによって多くの資産を失った米国民は強烈に消費を抑制したことによって、国内経済はガタガタになり、米国民は外国からモノを買わなくなってしまった。その結果、大恐慌は世界へと広がり、日本では昭和恐慌を引き起こした。モノが売れなくなって困った外国は、金本位制を離脱し、通貨切り下げ競争をすることによって自国製品を安くアメリカ人に買ってもらおうとした。アメリカも、大恐慌によって国内経済はガタガタになっていて高い関税を設定したりして保護貿易主義になった。通貨切り下げ競争によってそれぞれの国の通貨価値が分からなくなった国際社会は、それぞれの国が、自国と自国の保有する植民地間でしか貿易ができなくなり、最終的には植民地を持った国と、持たない国で摩擦が深まり、それが世界大戦への引き金となっていった。という流れだったように記憶している。
うーーーーーーーーーーーーーん。
世界は益々危険な方向へと進む局面にあり、こういう時に、金価格がさらに上昇していく流れになるようである。ちなみに、世界で一番、金をずば抜けて大量に保有しているのも、やっぱりアメリカであるのだけれども。どうなってるのか、よくわからないねぇ、世の中は・・・・・さっぱり・・・・・・・・。
このような世界情勢の中で、自分が投資戦略をどう設定するか・・・・それも、よくわからない。
とりあえず、今はもう、米ドル建て資産は自分は殆ど持ってないけど。
そんなに慌ててどうこうするってもんでもないのかもしれないけど。