いわゆる「意識高い系」にはさまざまな解釈があるけれども、

ぴったりくるのはこの表現だよなぁ

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思想活動家の外山恒一は、「グローバリズム下、ネオリベラリズム下の資本の要請に応えうるような労働力商品として自らを鍛えようという意識の高い、要するに現体制への過剰迎合に余念のない」ことが特徴で、合言葉は「選挙に行こう!」だとしている[18][19]。

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2000年代頃は、確かに身近なところにもこういう人、ちらほらいたし。

当時は、そういう人達のやっていることが正しいのかもしれないと思っていたけど。

今になって考えてみると、よく分からない。

例えば、当時の職場の先輩は、会社員をやりながら、私費で社会人大学院生(博士課程)をやっていて、

休日に大学で研究していた人がいた。

本人は、時々、休日に大学行くのが嫌になったりしていて、それを奥さんに言うと

「最後まできちんとやり通すのが正しいこと」みたいなこと言われて、やってた人だったけど。

でも、年間学費100万円とか、自分のお金で払ってたと思うけど。

研究内容は、会社の業務内容とは全然関連がなかった。

でも、「〇学博士」の肩書が欲しかったみたいだ。

それを会社の名刺に載せて、発言にハクをつけたい・・・・ってことだったみたいだけど。

それにしては投資額も費やす労力も膨大すぎるけど。

研究すること自体に興味があるわけでもないし、会社の業務に応用できる研究でもないのに、

肩書とか、発言にハクをつけるためとか、そういうことで、修行の一環として、

「私費を投じて大学院で学ぶこと」これは素晴らしいことだなんていう当時の周囲の受け止め方だったよねぇ。

最近はそういうことやってる人、全然いないけど。

あと、2000年代半ば頃に交流があった女性の飲み友達だよね。

彼女もやっぱり典型的な「意識高い系」の人だったけれども。

ほんと、これまた本人が楽しんでるわけでもないのに、自分の労働力商品の価値を高めようということで

まぁ、休日とかに、よくわからない誰かの講演会とかによく参加とかしたり、

あるいはその人も国立大学で社会人大学院生をやっていた。

普段は大手企業の労働組合の事務員の仕事している人だったけど。

あと、一緒に飲んでいても話の内容に特徴があった。

いわゆるホリエモンの話しとか、あるいは、三木谷の話しとか、

いわゆる成功者として注目を浴びている企業経営者とかの話をするのが好きな人だったけど

ほんとネオリベ系の資本の要請に忠実な人で、自らの労働力商品の価値を高めようと、

本人が本心から楽しんでるわけでもないような自己研鑽を、

いわゆる、成功すればキラキラするはずだ的なフォーカシングイリュージョンに基づいて、高い意識だけでがんばっていた。

でも、そういった「意識高い系」の修行に取り組む個人というのは、

その行動というのは・・・個人の救済には殆ど役立たないものであるということを今の自分は気が付いている。

基本、幸福実現にも繋がらないし、苦痛除去にも繋がらない。

仮にそのような行動が、よりレベルの高い職場へのステップアップの実現につながったとしても

資本の論理に忠実に従って行動した結果として、人間として幸福になるかというと、

最近はむしろ逆効果なのではないかという認識を持っている人は今の世の中では増えてるかもしれない。

いや資本の論理に忠実に従うために、自分の時間とカネを使って、自己研鑽するだけでも、

結構なストレスや苦痛も伴っているはずだけど。

まぁ、そういうことを取り組んでいれば、がんばっている人だということで、

周囲に評価されることだと思ってるようでもあったけど。

まぁ、最近の世の中の流れとしては

「ネオリベラリズム」から「日本型資本主義」を模索する方向性へと国も舵を切っているから

無理な力の入った「自助努力による自己責任」的な考え方で

「膨大な私費を投じて自分の時間に自己研鑽」みたいなのは、最近ではそういう人は減っているのかも。

最近は、身の回りに 発言にハクをつけるために博士の肩書が欲しいというだけのことで、

大学院に行くような人も全くみなくなった。

自分は若い頃はそういう人達からも一定の影響を受けているところもあったけど

「優秀な出来る男」とか、「肩書」とか「地位」とか、

そんなつまらないもん追求しても、なんだかそういうので自分の生活の質が改善するようにも今は全く思えないけど。

自分の時間は、自分の好きなことを心の赴くまま追求したり、考えたり、そうやって過ごした方が楽しいし。

そこで得た知見をもとに、話の合う人同士で情報交換や意見交換を楽しんでいるほうがいいように感じる。

企業組織の論理や資本の論理をプライベートにまで持ち込んで、

生活の質が向上するようには今は全く思えない。