アメリカで起きた新自由主義への流れは、1981年に発足したレーガン政権から始まっているようであるけれども、当時のアメリカは双子の赤字(財政赤字、貿易赤字)に苦しんでいたのと同時に、スタグフレーション(景気後退を伴うインフレ)に悩んでいるような時だったようだ。

この流れの中で、ケインズ式の有効需要政策を見直し、公共支出を大幅に減らした、「小さな政府」を志向する流れになった。

日本では、小泉政権が、半世紀にわたる、政治の見直しを行った。

財政危機の重要な原因は「大きな政府」にありその原因の一つが社会保障の行き過ぎであるとして、2001年の経済諮問会議では構造改革に関する基本方針に社会保障制度の改革を中心に位置づけており、福祉見直しを行ない国民の自助努力を求めている。

20 世紀を支えた日本のシステムに制度疲労が生じたとの反省のもと「構造改革」を実施し「小さな政府」をめざした。

うーーーーーーん。

小泉政権のときは、やっぱり、優勝劣敗、弱肉強食、適者生存、自然淘汰的な・・・改革の流れは国民にはかなり不評だった。

ただ政権が発足するときはかなりの熱狂のもと受け入れられる。

日本人は、革新的な新自由主義的な思想は好きなようだけれども、いざそれが政策に実行されると、途端に嫌がる傾向があるようであって。

現代でも、「維新の党」とかの革新勢力に期待する人も大勢いるようだけれども、あれも基本的には新自由主義的な思想を持った勢力であり、小泉政権と同じような性格があるのだけれども。

安倍政権のときは、アベノミクス3本の矢(大胆な金融政策、機動的な財政政策、成長戦略)

この政策の大まかな評価は次のページにあった。

 

 

https://www.dlri.co.jp/report/macro/193740.html

 

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銃撃を受けて死去した安倍元首相は7年8カ月に及ぶ第2次政権下で、金融緩和と財政出動、成長戦略の「3本の矢」による経済政策「アベノミクス」を展開した。

アベノミクスのうち最も効果を発揮したのは第一の矢。大胆な金融緩和の効果としては、それまでの極端な円高・株安の是正が進んだことで株価は3倍になり、円安・株高に連動する形で輸出や設備投資も増えた。特に設備投資は将来の収益期待が高まると増加するため、アベノミクスは外需だけでなく内需に大きな効果があった。経済政策の最大の目標である雇用の増加にも効果が出た。

第二の矢の成果としては、それまでの公共事業の減少に歯止めをかけたこと。ただ、悔やまれるのがアベノミクスで個人消費も増え、家計の金融資産も増え、就労も増え始めてきた2014年4月に拙速な消費増税を行ってしまったこと。2019年10月の消費増税も結果的に景気後退のタイミングで実施したことも悔やまれる。

第三の矢を評価するには、国内のビジネス環境がどのように変わったかが重要。それまで「超円高」「高い法人税率」「経済連携協定の遅れ」「高い電力料金」「厳しい労働規制」「厳しい環境規制」と言われた産業の六重苦のうち、超円高は金融政策のレジームチェンジで是正された。高い法人税率もドイツ並みの水準まで下げた。経済連携協定の遅れについても、FTAカバー率が「発行・署名済み」で米国並み、「交渉中」まで含めれば韓国並みまで進めた。

一方で、課題として残ったのが高い電気料金と労働規制改革。なお、労働市場改革では働き方改革で働き方の自由度が増した一方で、残業代の減少等により家計収入減の副作用もあった。そして、環境規制は鳩山イニシアチブという厳しい環境規制の緩和という成果を上げた。

アベノミクスは期待されたほど効果が出なかったという向きもあるが、表面上の結果だけを見てアベノミクスをネガティブに評価することは誤り。背景には、それ以前の長すぎるデフレ放置で過度にマインドが萎縮してしまっていたことがある。金融緩和は継続が必要であり、ロシアのウクライナ侵攻で苦しむ今こそ第二・第三の矢の出番。この点について早急に手を打つことが岸田政権には求められる。

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引用終わり

 

今その場の国民生活の状況に関しては、印象としてはアベノミクスの影響でだいぶ改善したようには感じたけれども、異次元の量的緩和政策は、事実上の国債の日銀引き受けによる財政ファイナンスとも言えるようなものだったので、財政規律は緩々になった状態だった。

安倍政権に対しては大蔵省時代からずっと緊縮財政路線だった財務省との確執も大きかった。

最近はどうなっているかというと、コロナショックによる経済の失速を畏れた各国中央銀行は極端な財政拡張政策を取った結果として、極端なインフレが生じる結果になった。これを抑え込むために、FRBやECBはかなりの利上げ政策に踏み切ることになったけれどもに、日本政府は他国には例を見ないくらいの莫大な累積債務を抱えており、金利上昇が起こると政府の利払い費が雪だるまになり、財政状態は極端に悪化する恐れがあることから、日銀はゼロ金利をしばらく維持したままだった。

これにより、日本と海外の極端な金利差から、資金が国外流出し、過度の円安傾向(現在では1ドル157円)という状態になり、資源高を始めとした輸入物価の上昇に伴うコストプッシュインフレに国民生活は苦しまされる流れになった・・・・・その流れもあって、つい最近になって日銀は長期金利を1%以上にする結果になったけれども、日本政府の財政状態が改善しているわけではないので、累積した政府債務の利払い費増加に関しては、さらに将来世代から莫大な借金をすることで賄うという自転車操業に拍車がかかる結果になる。

うーーーーーーーーーん。

なんだろうねぇ・・・・・この流れは。

特に、常に今その場しのぎの政策しかできないということになるけど。

日本の場合は、極端な円安が進行すると、貿易黒字はかなり増える様子であるけれども。

インバウンド需要もかなり増える。

ただ国民生活は、コストプッシュインフレや実質賃金の低下、保有資産の目減りなどで苦しむ結果になる。

日本国民による消費性向は、少子超高齢化社会の今後に展望が描けないため、老後資金2000万円問題等を念頭に置いた将来不安がどうしても拭い去れないところもあり、所得が上昇してもそれが個人消費に回されるとは限らず、貯蓄性向が高い傾向にある・・・・すると内需はなかなか喚起されない結果になり、内需によって景気が劇的に改善するといったことも、生じにくい。

インフレによって政府の累積債務の実質的価値を減少させ、円安によって生じる外需を頼りに、ある程度、企業活動を中心とした経済活動を維持するのは・・・国民の生活は一定水準、苦しくなるかもしれないけれども、中長期的観点でみれば、悪い側面ばかりではないかもしれないけれども。インフレスパイラルによる過度の円安に歯止めがかからなくなることも考えられる・・・・・。

うーーーーーーーーーーーーん

よくわかんないや、考えても。