「高学歴難民」って本を読んでる。

今日は70ページくらいしか読んでないけど、さまざまなエピソードが書かれてる。

多いケースは、

「国立大学文系博士課程修了」→「大学の非常勤講師とかを塾講師のアルバイトと兼任して月手取り10万円」

みたいな人たちだ。

日本は1990年代に大学院重点化施策みたいなのをやって、博士号取得者みたいな人が沢山いるのに対し、

正規の大学教員や研究職などの雇用の受け皿が従来通りのままだったと聞く。

社会に必要とされる研究職や正規の教員数は、あまり政策的に増やせるものではなく、人口規模によってある程度決まっているようである。

まぁ、C~Eランク大学を出た栄養士や放射線技師、臨床検査技師が初任給18万円とかもらっていて、年収500万円とか600万円、普通に稼いでいるのは。

国家資格に守られた業務の専売特許があるというのと、もう一般的な業務内容が確立されていて、労働市場が安定しているからかもしれない。

国家資格でも、人材の供給量と、勤め先の数のバランスが崩壊した分野だと、ワーキングプアーがいる分野もある。

弁護士や歯科医師がそのような感じになっている

高学歴者の研究開発職の受け皿でいうと、

恐らく薬学部は、製薬メーカーなどの受け皿がかなりあるようだけれども、

この場合であっても国立大薬学部修士などで就職する人が多いかもしれない。

高学歴難民の月手取り10万円とかいう給料なら・・・たぶん高卒者がアルバイトをフルで入れても恐らく稼げるよねぇ。コンビニとかで。

高卒でも正社員採用されれば、中小企業でも年収は400~600万円稼げる。

まぁ、「正規の大学教員」「研究開発職」これを狙った高学歴が恐らくギャンブル性が高いのだろう。

理系職でも、研究開発職に従事する人は一部だけれども、エンジニアとしてならC~Eランク大学でも、正規社員として一定の所得は得られているようである。

まぁ、年収にして500~700万円くらい・・・大手であれば上限は1000万円くらいだろうか。

一般的な業務でいうと、日本では年収中央値400万円台で、大卒正社員として年功序列していけば・・・・・

東京であれば40代くらいで700万円くらいになるのは一般的なようである。

現在得られている統計では、大卒者の生涯年収2億9000万円、高卒者の生涯年収2億6000万円で学歴による収入格差は10%程度とされている。

なんなんだろう・・・・・高学歴難民って。

結局、正社員になれるかなれないかで、正社員になれないで非常勤やアルバイターになってしまうのであれば、コンビニのバイトでも同じということだろうか。

で、そういうのになるかならないかは、学歴とかではなく、運や偶然ということだろうか。

「正社員としての受け皿の多い業界を進路に目指す」のも、ひとつの方法かもしれない。

日本の労働市場は、まだ、新卒一括採用年功序列終身雇用・・・これに縛られているところも多いので、

一度、非正規になると、そこから中途で正社員復帰するのは・・・まだ難しいところがあるかもしれない。

立憲民主党の小川議員なんかは、非正規と正規社員というのをなくして、その中間くらいの立場をつくるべきだと言っているけど。

民主政治は数の力なので、非正規社員の票数が、正規社員の票数を上回るようなことがないと、そのような改革は実現しにくいかもしれない。

まぁ・・・・・文系名門大学は今は難しいねぇ。

ホワイトカラー職種に対する雇用のニーズはどんどん厳しくなってきている様子だから。

ただ、一方で、求職者全体に対する朗報といえば、年代ごとの人口構成比率からして、現在はかなり労働者不足が生じてきているというところだ。

こういう流れがあると、労働者全体が就職しやすくなるし、実質賃金も上昇することになる。

それは中世のペストの流行時にも見られた・・・疫病によって労働人口の何割もが死亡する事態になった結果、

100年間くらい労働者の実質賃金が倍くらい上昇したようである。