私が、乳がんで子供たちに不安な思いをさせている。

夫まで、がんかもしれない。

しかも、難病かもしれない。

そして、子供たちも同じ病気かもしれない。



なんて説明したらいいんだろ……
言えないよ……


子供たちには、結果が出るまでは黙っておくことにした。


夫の両親には、子供たちが寝た後で説明した。

じーちゃんたちにも、息子夫婦の病気の話ばかりで申し訳なかった。



血縁者に大腸がんの人は一人いたが、ポリープは1つだけだった。


ネットで検索すると、夫の疾患と思われる病気についてヒットした。

先生の話の内容と合致することばかり書かれていた。


家族性大腸腺腫症(FAP)

家族性大腸腺腫症は遺伝性疾患で、小児期または青年期に、多数(しばしば100個以上)の前がん性のポリープが 大腸と 直腸の至るところに発生します。

抜粋
家族性大腸腺腫症は8000人に1人から14,000人に1人の割合でみられます。この病気では、15歳までに50%、35歳までに95%の人にポリープがみられます。治療をしなければ、ほぼすべての場合、40歳までにポリープが 大腸がんや直腸がんになります。





抜粋
家族性大腸腺腫症では、APC遺伝子という遺伝子に生まれつきうまく働かない変異(病的バリアント)があることがもっとも多い原因です。

家族性大腸腺腫症と診断された方の70%ほどに、原因とおもわれる遺伝子の病的バリアントが見つかります。もっとも多くみられるAPC遺伝子は、常染色体優性遺伝という遺伝の仕方をします。両親どちらかがこの病気の場合50%の確率で子供に遺伝します。




こちらをクリックすると、なかなかびっくりする画像が出てきます。

苦手な方はご注意ください。




ただ、この時1つだけだった救いだったことが。

夫の腸の画像と、素人目ですが少し違うような気がしました。





アメブロで検索をかけると、わずかにヒットするが、乳がんのように沢山ヒットしなかった


数少ないブログを一つ一つ読んでいくと……



私がやってきた治療なんて、比じゃないくらい大変な闘病生活が記されていた



大腸を切除した後の合併症で、デスモイド腫瘍ができてしまったり、排便障害に苦しんでいたり、大腸以外にも全身に症状が出てくるので管理が必要だったり……


なのに、難病指定されていない


治療費は、全て負担


そして、保険にも加入できない(がんならば年月がたつと入れるものもあるのに)



先生の話ぶりから、がん化してなければ、定期的にポリープをとりさえすればなんとかなるかもしれないと淡い期待を抱いていたが、とんでもなかった。



患者会のHPも読んだ


子供への伝え方が書いてあったが、読めば読むほど苦しく、悩ましく、仕方なかった。




我が家は、娘が二人
15才と13才
発症するなら、きっともうしている。

検査するには遺伝子検査か大腸検査が必要だ。

年頃の女の子に、大腸検査をさせることができるだろうか?

もし、遺伝子を受け継いでしまっていたら、娘たちにこんな大変な思いを一生させなくてはいけないのか?

私はがんで、夫もがんだとしたら
二人とも長く生きられないかもしれない

大変な思いをする子供たちを支えてやることも出来ない

将来、病気のせいで結婚や子供を持つことを諦めなきゃいけないかもしれない


当たり前の青春、何も気にしなくていい輝かしい年頃に、一生の病気を背負わせてしまうこと




夫には申し訳ないが、40年以上楽しく生きてこれた私達はどうなってもかまわないから、子供たちには遺伝していないでくれ!!

と、毎日願っていた。



しかし、夫は

ぼけー「結果がでなけりゃわからんじゃん?」

と、通常営業


ガーン「ショックじゃないの?自分は調べないの?」


と聞いても


ぼけー「そう決まったら調べるよ」


と、他人事
(でも、このくらいの方がきっといいんですよね。私は調べすぎ)


私ばかりが気に病んでいることが、腹が立ってくる


ガーン「子供たちに遺伝してたらどうするのよ!!将来、結婚だって出産だって出来ないってなっちゃうかもしれないんだよ!?自分は今まで何も考えずに生きてこれたかもしれないけど、子供たちにはそういう未来がなくなっちゃうんだよ!?」


マズイ!とハッとしたが、寝不足と心労で思考能力が落ちてしまっていたので、思わず言うべきじゃないことを言ってしまった


ぼけー「遺伝してたら、申し訳ないなぁ」

夫の悲しそうな顔


私、サイテーだ。

病気かもしれないって一番不安なのは、夫なのに。
自分が経験して、よーくわかってるのに。
(我が夫は、本気でその時になったら考えると思っていたらしいですが(笑))


でも、この時は夫のことを思いやる余裕がなく、とにかく子供たちのことばかり考えていた

だから、夫との関係が最悪すぎて、話し合いすらもできなくて、私一人で空回りばかりしていた


つづく
次回がラスト!