意外な優しさ(死別後③)

 

 

死別後は職場ではほとんど声をかけられることはなかった。

 

自分でもわかるくらい死にそうなオーラを出していたので、仕方ないとも思ったけど、でも冷たいなぁとも思った。

 

それから数年してから実は見えないところで心配してくれていた人がいたというエピソードを複数聞いた。

 

3人目は他部署の外国人マネージャーだった。

 

この人が一番びっくりした。

 

当時からそんなに話すこともなく、とてもドライで結果重視の人なので、他部署平社員の私のことなどバカにしているだろうと思っていた。

 

しかし、今の旦那と結婚することになった時、そのマネージャーの部署にいる人から「是非△△さん(マネージャー)に個人的に結婚報告してあげて。あなたのこと本当に心配していたからすごい喜ぶと思うよ。」と言われてびっくりした。

 

「え、私のことを心配?結婚を喜ぶ?あの人が?」

 

詳しく聞くと、私の彼が昏睡状態で私が休みがちだった時期、社員から私の状況を聞いた途端「なんで家族(社員の意味)が大変な時なのにあいつ(私の部署のマネージャー)はその事を早く言わないんだ!周りがサポートしなければいけないだろ!!」とスマホをデスクに投げつけて私の上司に対して怒っていたらしい。

 

本当にびっくりしたし、嬉しかった。

 

あの時はしんどいなんていう言葉では表現できないほどのメンタルだったし孤独だったけど、当時そんなに心配してくれている人がいたなんて・・・。

 

その後、その外国人マネージャーに直接結婚報告をした。

 

いつもより少しだけ口角上げて、でもやっぱりドライな感じで「よかったね」と言ってくれた。

 

こんな優しさもあるんだ、と気付いた時だった。

 

(その後妊娠を報告した時もドライだったけど、後日他の社員に嬉しそうに話していたらしい。)