東南アジアで初めてタイがBRICS加盟申請

 

 スプートニク日本 5月30日「タイがBRICSへ加盟申請 なぜタイには加盟が必要か」と報道された。 

 

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 2023年9月6日公開「サウジアラビア・イラン参加『本当の衝撃』…エネルギー覇権を握る『拡大BRICS」中心で、世界は『脱欧米』に向かう」の中でも、「BRICSの急速な拡大」に注目していたが、タイの申請が承認されれば、東南アジアで初めての参加となる。

 

 これは極めて重要な出来事だ。BRICSは「脱欧米」を目指す組織の中で最も有力である。そもそも「R」のロシアと「C」のチャイナが主軸だ。ウクライナ戦争、「貿易戦争」や「人権問題」などで欧米と鋭く対峙する両国に、「近づいた」と欧米からみなされることを承知で加盟申請を行ったという点が重要といえる。

 

「ジャイアン・アメリカ」やその子分たちを「恐れなくなった」ということだと考えられるのだ。このタイの「判断」の背景には、最近のBRICSの「勢い」がある。

 

急速に「拡大」しているBRICS

2023年8月、BRICS首脳会議  by Gettyimages

 

 BRICSは2009年に、戦後(特に1991年のソ連崩壊以降)の米国一極支配の世界秩序に対抗し、非西欧の新興経済国が集まって結成された。

 

このBRICSに関して、ジェトロ・アジア経済研究所「IDE スクエア」 昨年12月「(グローバルサウスと世界)第5回 BRICSに中東・アフリカ諸国が加わることの意味――エジプトを事例に考える」は興味深い資料だ。

 

 

 最近世間の注目を集めたのが、いわゆる「拡大BRICS」である。2024年1月1日をもって、エジプト、エチオピア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、イラン、アルゼンチンの6カ国がBRICSに加わり、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカと合わせて11か国体制となった。

 

前記記事によれば「サウジアラビア、UAE、イランが加わることで、BRICSは世界の原油生産量の41%、人口の46%、国内総生産(GDP)の36%を占めることになり、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、イギリス、アメリカからなる主要7カ国(G7)の経済規模を上回る」ことになる。

 

 

これはまさに「世界秩序変革」の第一歩といえよう。この「巨大な力」はまだ産声を上げたばかりであり、加盟国も寄り合い所帯だ。また、加盟国の中でも中国、ロシア、イランなど欧米と激しくぶつかる国々と、欧米に対して比較的融和的な国々が共存する。

 

 だがG7などの欧米諸国の力の衰えはあまりにも明白であり、「世界」はそれをよくわかっている。

 

 それだけではない。ウクライナ戦争、ガザ戦争における欧米諸国のダブルスタンダードや「ジャイアン・アメリカ」主導の国際ルールを無視する「独善的経済制裁」は、欧米に融和的な国々を遠ざけ、「反欧米」であるロシア、中国、イランなどへ近づける結果となった。

 

つまり、バイデン大統領の「ジャイアン・アメリカ」丸出しの政策が、BRICSの結束を強め、さらに「BRICS成長のための栄養源」になっているのだ。

 

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