(①からの続き)
ポンプを積んだ手押し車を押して現地に着くと、
既に6〜7台の消防車が辺り一帯にひしめいている。
その間では、近くの消防署、消防車を持つ消防分団、手押しポンプを持つ消防団、役所関係者、警察官
、野次馬などで騒然としている。
前方では、
火柱を上げる家に目掛けて、
消防車から放水作業。
我々消防団の位置付けは3番目で、
消火栓は、
消防署の消防車→消防分団の消防車→消防団の手押しポンプの順番で使用する優先順位が決まっているらしい。
我々が使えるとしても川の水だけど、
消防車が辺り一帯を埋め尽くしているので近づけない。
つまり我々の仕事はない。
あまりの無力感にただ茫然と火柱を見上げるのみ。
1番近くの消防団は、
火事鎮火後に再び燃えないか、
火の番をする事になっているけど、
我々は隣の集落なので、
本当に何もする事がない。
家を出てから2時間ほどして、
無力感と疲労感に包まれて帰宅。
火事は本当に恐ろしい。