3月11日からのつづき | いわきプリンスホテル

3月11日からのつづき

無料で食料を僕らでできる範囲で出したりして お客様全員と寒さも不安も共有しながら 夜10時以降に私の判断で客室へ一組ずつ非常階段を上り下りしご案内した。

足腰が筋肉痛でも味わったことのないくらいの痛みになったが、死ぬか生きるかの状態なので何ともなくただひたすらお客様を安心して寛いでほしい一心で動いた。

日付が変わっても僕ら2人は寝ることは無かった。万一の場合でもお客様を避難させる為には寝れない使命があること。もう一つの理由は外国人のお客様が地震で部屋へ戻りたくないと、ずっと無料送迎車2台の中かフロントのテレビの前にいたからだ。

日付が変わって12日の朝四時頃に部長が出勤してくれた。お蔭で僕ら2人も2時間くらい仮眠をとることができた。とは言っても余震の度に起きてしまっていた。

一般のお客様は12日の朝にはほとんどチェックアウト。もともとあった予約の99%は連絡も無く朝まで来なかった。

その代わり電気工事関係の応援部隊たちの予約が一気に入ってきた。
ホテルのお客様は帰りたいけど電車もバスも高速道も全てストップしてて帰れなくなったか、応援部隊か、地震直後の津波で家が無くなってしまったか。この3通りのお客様のみ。
いや あと大事な彼らがいた。自動車学校の教習所の合宿生6名様。彼らは僕らにお礼がしたいと手伝わせてくれと志願してきた。

津波の被害を受けた従業員が仕事だからとナイトフロントに来てくれたおかげさまでお客様たちの水くみに給水所まで行けることになった。2人でやった水くみが彼らのおかげで8人に!ダンボールなどにビニールをかけて水をくんでは客室のバスルームにあけまくった。飲めるようにと何度も水くみ行き終わったあとはバスの風呂桶にあけずそのまま置いた。

この場を借りて感謝の言葉を…相葉唯さん池内僚太くん今関達也くん柏山奈津美さん柏山有希さん小林萌子さん、みんなありがとうございました。君らと会社立ち上げたいと本気で思いました。
みんなで今の状況を乗り越えて頑張りましょう! 13日、14日とホテル営業を続け、どんどん生活環境が悪くなる中、お客様から感謝のお手紙とお言葉をたくさんいただいた。
お客様がいる限り最善を尽くすのが僕らの使命。僕らに感謝の言葉をかけてくれるお客様がいる限り営業し続けた。ちなみに大地震直後から携帯もホテルの電話も他へかけることはできなかった…(つづく)