スタートラインの熱気が高まる中号砲が鳴り、みんな一斉に走り出しました。ランニングアプリとストップウォッチのボタンを押し、私も走り出します。あまりスタートが混み合っていないので、最初からみんなそこそこのスピードで出た印象です。

そこからはとにかく1km6分30秒前後を守ることに集中。いつもランニング中に聞いている音楽を聞きながらテンポを合わせてペースを保ちます。いつもより早めにペースを上げているのでちょっと心肺が苦しくなりましたが(遅いけど)スピードは緩めず。途中、チアリーダーが応援してくれたのと、自衛隊員の方とのハイタッチに元気づけられて、果てしなく長く思える滑走路の中を走り切れました

途中暑くなって、レインコートを脱ぎ、周りにならって警備員の方にそれを渡しました…きっと本来はそれは仕事じゃないのに受け取ってくださってたんだと思います。本当にありがたかったです。そしてごめんなさい…来たままずっと走っていたら熱気でむれて倒れそうでした滑走路内にはたくさんのレインコートが置いていかれていて、本当は駄目なんだろうけど捨てるところがないもんな…と罪悪感を感じていました。

駐屯地の出口あたりで最初の給水。ここでは水を飲まず、ピットインリキッドのカラだけごみ箱へ。

ちょっとこの辺でトイレに行きたくなってしまったのですが、ここでトイレに行ったら関門突破できません。がまん。

すでにポンチョを着ているのも暑くなっていましたが、これは次に3kmを走る子どもが使うかもしれないので手に持ったまま。6km付近で夫と子どもが応援すると言っていたので、そこで二人を見つけて渡すことにしました。

「あと1分です!」
の声と同時くらいに5.5kmの関門を通過! 予定どおりです。

そして6km付近で夫と子ども発見。ポンチョを渡します。

「○×△大丈夫? 頑張って!」と夫の声。若干顔が焦っているように見えましたが気のせいでしょう。

そのまま昭和記念公園の周囲の道路を走ります。雨がちょっと強くなってきて寒い…がポンチョはもうないのでそのまま走ります。ペースは変わらず6分30秒前後、いい感じ!

9kmあたりに仮設トイレがあったので行こうかな…と思ったのですが、行列なのでスルー。
10km付近の給水直前に、ポーチに忍ばせておいたパワープロダクション ワンセコンドCCDライチ風味を飲み、やっぱりのま~っとした飲み心地でのどに張り付くのをすぐに給水所で水をもらって流し込みます。これはラスト5kmくらいのためのエネルギー補給です。サイトの「こんな方におすすめ」欄に「スタミナに自信のない方」というくだりがあります。まさに私がその人です。何の力でも借りてスタミナを補います。


水を飲んで、また元気が出ました。
そして11kmの関門突破! ペースも変わらず6分30秒くらいです。折り返しのあとで、かわいいプードルが応援してくれていました(飼い主さんがだっこして、犬の足を持って「手をふりふり」してくれている)。動物好きなのでこれでまたがーっと元気になって、そのまま昭和記念公園に突入!

昭和記念公園まで走ってこれた! とちょっとここでうれしくなります。

…トイレ行きたい。仮設トイレが昭和記念公園に入ってすぐくらいにありました。

でも、トイレにいって数分ロスしたら、やっぱり16kmの関門が突破できないかも。うん…がまん

公園に入って、長い下り坂があったのがうれしかったです。腕をだらんと下げて脱力しつつ下ります。呼吸も楽。そして13km、14km…なかなか進まない感じがしてきました。そんなところでまた給水所発見。お水をもらいます。

本当はスポーツドリンクを飲みたかったけど、どれにスポーツドリンクが入っているのか判別ができずにいつも水(笑)。まあ余裕がないのでしょうがないです。

細かいアップダウンを着々とこなし、15kmを過ぎ、とうとう、とうとう16kmの関門がすぐそこに!

「あと3分でーす!」の声。

わーい、あと3分も残して突破!
ここまで来れば大丈夫。すべての関門を突破しました。あと5kmは平日でも走っている長さだし、根性でなんとかなります。あとは1km10分ペースで走れば制限時間までにゴールできるのです。

余裕ができて、「最後の関門突破した」と夫にメール。

ブレブレですが写真も撮りました(足を止めると筋肉痛や疲労を感じてしまうので、止まっては撮影しませんでした)。


ここまで一番心配していたタナ障害による膝の痛みが奇跡的にゼロ。出がけに夫にキネシオテープでテーピングしてもらったおかげだと思います。

ペースを落として1km7分半くらいで、ひたすら地味に刻みます。ここからがなかなか長かった(ペースを落としたので当たり前ですが)。

アップダウンはさほど気になりませんでした。多摩ロードレースでもっともっとすごいアップダウンを経験していたからかもしれません。

…トイレに行きたい。でも、スッと行けそうなトイレが見つかりません。
もう止まったら足が動かないかも…がまん。

そして19km地点に到達! あと2kmならもう絶対完走できます! さらに余裕が出たので撮影(やっぱり止まりたくないのでブレブレ)。


そしてさらに走り、「あと1km」の看板が。ゴールが、すごく近い!!

この辺で音楽を消し、イヤホンを外します。大会の雰囲気をじっくり味わうため、ラスト1kmは何も聞かずに走ることに決めていました。

その先で、
「あと500だぞ! 行け行けー!」とスタッフさんかもしれない中年男性のおじさん。ガッツポーズを返すと、

「そうだ、いいぞー!」

と言ってもらって、またスピードアップ!

そして曲がり角から突然現れた

「FINISH」の文字。

心からの笑みがこぼれます。

「やったー、とうとう、とうとうゴールだ…」

ラスト50mほどをダッシュしてフィニッシュラインに飛び込み、無事完走できました
うれしい…うれしいよー! この瞬間のために、へなちょこランナーなりに努力しました

努力が実を結んだのは、夫の支えと応援のおかげです。
そして雨が降る中、見知らぬのろのろランナーにも声援を送ってくれた沿道の応援の方々や子どもたちやわんこたちのおかげです。一人じゃ完走できませんでした。

フィニッシュしてすぐにアプリもストップウォッチも止めなかったので正確な時間は分かりませんが、2時間25分前後でのゴールでした。トイレは結局最後まで行かずにがまんしました

制限時間は2時間40分。15分も残したじゃなーい(大満足)。

小さくガッツポーズでフィニッシュしましたが、オールスポーツのカメラさんは押さえていてくれたでしょうか。

家族はフィニッシュのところにはいなかったので、撮っていてくれなかったら「誰も見てないのに一人でガッツポーズしてる人」になっちゃうんですが(笑)。

まあいいです。とにかく完走すること、それだけが目標だったので、目標達成、言うことなしです!


(フィニッシュ後編につづく)