ママブロネタ「育児環境」からの投稿
とある年配女性に「子どもは一人なの?」 と聞かれたのです。
いやな予感というか、間違いなくあのやりとりが始まったなと思いつつ、
「はい」と答えました。 案の定、以下の発言が返ってきました。
「最近の人は一人しか産まない人が多いけど、子どもがさびしいんじゃない?」
子どもが3歳くらいの時から、年に10回くらい、道でたまたま会った知らない人にでも言われ続けていますが慣れません。 いちいちびっくりするんです。
「私の事情を何一つ知らないのに、なぜそういうことが言えるんだろう?」と。
昨日は特に、相手の心を大切にすることを教える立場の人からの発言だったので、なおさら驚き、落胆してしまいました。
◆「つくらない」のではなく「できない」のかもしれません
こういった人たちは、 「一人子どもがいる」→「妊娠できる体である」→「妊娠できるのに“わざと”つくらない母親である」→「“きょうだいは必ずいるべきもの”なのに“わざと二人目の子どもをつくらない”わがままな母親である」
という感じで思っているのだと思われます。
でも「二人目不妊」という言葉があるように、一人は妊娠することができても、二人目が「欲しくてたまらないのに」なかなかできないという人はけっこういるのです。
「一人できたんだから二人目、三人目だってすぐできるはず」 という考えは、安直すぎるのではないでしょうか。
子どもが欲しくてもできないのかもしれないのに、 「最近の若い人は子育てが大変だからって子どもを“ひとりっ子”にしてとんでもない」 という決めつけをして、不満な気持ちをたまたまた出会った「子どもが一人の母親」にぶつけてちょっと自分がすっきりする。
言われた母親は 「欲しくてもできないのに、何も知らない人にいきなり“あなたの子どもはかわいそう”と言われてショック」。
つまり、「ひとりっ子でかわいそう」という旨の発言をすることは、
「人を傷付ける代わりに自分がすっきりする」 というだけの行為に思えます。
それを言われたからといって、
「よーし! うちの子はかわいそうだから、頑張って子づくりするぞっ☆」
なんていう気分には当然なりません。 どちらかというと、「その態度がストレスになって余計子どもができなくなるわ」という気分です。
「社会は母親に冷たい。子どもを育てづらい」と感じますし、「つくらない」という方針で二人目の子どもがいない人は、まずますつくりたくなくなるのではないかと思います。
また、こういう発言をする方はだいたい年配の女性で、子育ての経験者です。小さな子どもがいる母親はそういった方に子育てについて頼りたいものですが、 「あなたの子どもはかわいそうじゃないの、やーね」 という対応だと、当然頼ろうという気持ちにはなりません。
「子育てをしたことがある人ですら私たちの味方ではない」と思い、母親の孤立感は増すのです。 すごく年配の方ならば「昔の考えが残っていて、今さら変えられないだろうから仕方がない」という割り切りもできます。でも私たちの親世代、60代でも「ひとりっ子はかわいそう」発言をする人は多いのです(同年代に言われたこともありますが)。
その人たちが私たちの味方どころか、自分たちを傷付ける敵のような存在だとしたら、世の中は子育てしにくい社会だとしか思えません。
◆もういいでしょう。「ひとりっ子はかわいそう」
情報がいくらでも溢れている中、子どもが欲しくてもできない人や子育てが辛くて虐待してしまった人がたくさんいることは、たいていの人が知っていることだと思います。そろそろ、子どもが一人の人にもいろいろな事情や考えがあるということを知っていただいてもいいのではないでしょうか。
もういいでしょう、 「ひとりっ子はかわいそう」。
きょうだいの数は、子どもを育てる環境の、たくさんある要素のうちの一つです。 それですべてが決まるわけでもないと思います。
一人妊娠するのだって、一人産むのだって、一人育てるのだって、やっとの思いだっていう人もいるんです。好きで「子どもが一人」でやっている人ばかりではないんです。
保育園や学童の待機児童問題や経済問題など、子どもを育てにくくしている大きな原因はたくさんあります。
でもこのブログでは、「ひとりっ子はかわいそう発言」という小さな切り口から子育てのしにくさについて何回か書いてみたいと思います。
そしてきょうだいがいない子どもやその母親に対する偏見をなくす一助になればと思います。
タイトルは 「ひとりっ子はかわいそう」撲滅委員会
委員は今のところ私一人です(メンバー募集中)。
<つづく>