新隠れ宿Ⅲ~50 | seppukuのブログ

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35番と41番の当たり札を持った巫女は、喜びを噛みしめ、手を震えさせているが、それ以上の喜びの表現は一切しない。静かに座ったまま。選ばれなかった巫女達への配慮であろう。

「35番と41番の方、どうぞこちらへ」

と司会の神職に促されて、静かに立ち上がると、祭壇の前に行き、一礼した。

その後、居並ぶ巫女達の方を向いて、

2人は、お辞儀をしてから、

「この度は、神の思し召しにより、人身御供に選ばれました美伽と申します。全力でお役目を果たしますゆえ、何とぞ、最後まで、お見届け下さいませ」

「私は、香世と申します。美伽さんと共に、奉納舞の儀、しっかりやりとげますので、よろしくお願いします」

と、挨拶した。