新隠れ宿Ⅲ~16小柄な巫女は、苦しい息の中で、悶えながらも、やっと鳩尾に腹切り刀を突き立てた。しかし、力を失ったのか、切り下ろすことはできない。唇を噛みしめ、宙をにらんでいる。「ウウッ」と何度も呻いて、刀を切り下げようとしているが、容易に動かない。若い神職が、近づいて、「お手伝いしましょうか?」と言うと巫女は、首を横に振った。