卒業生(カジノ)〜9 | seppukuのブログ

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ターバンの紳士が、エリに視線を送った。
「もう、いいかな?」と目が言っている。
エリが、ゆっくりと焦げ茶色のドアに向かって歩き出す。ターバンの紳士とスーツの白人も立ち上がった。だが、水着の女性は、座ったまま動かなかない。
百合と綾音は、エリに着いて行った。
ドアを開けると、イスが倒れ、ベージュのドレスの女性が、静かにぶら下がっている。
微かに体が揺れている。
ターバンの紳士が、椅子を直し、その上に立って、女性を抱き抱えた。エリが、一段高いテーブルの上に上がり首を締めているロープを切った。
百合と綾音も白人も、テーブルのそばに行き、ドレスの女性をテーブルの上に寝かせた。
女性の死に顔は、穏やかだった。
噂に聞くような、目が飛び出すとか、口を開いて舌を出すとか、そんな様子はなく、床が、濡れていることもなかった。