今や我が国ニッポンにおいても問題となっているのが移民問題。移民の賛否をめぐって日本が大きく分断されてしまっている。我が国の場合は人口減少によって、このままでは国力が持たないの是非が大きく議論されているが、そんな移民問題を元々が移民国家であるアメリカが描いているのが今回紹介する映画正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官。あちらの国でもドナルド・トランプ大統領の登場によって、移民の問題が明らかになってきた。と言うよりも本作を観ているとそれ以前の2001年に起こった9.11の同時多発テロ以来、非常に移民に対して神経を尖らせていることがわかる。
移民国家の抱える不法移民に対する苦悩を描くストーリーの紹介を。
ロサンゼルスのICE(移民税関捜査局)の捜査官として働くマックス(ハリソン・フォード)は不法移民を取り締まる立場にありながら彼らに同情的。
そんなある日のこと、同僚のハミード(クリフ・カーティス)の家に招かれ、彼の素行が悪そうな妹ザーラと会話を交わすのだが、彼女は今夜はデートがあるからとその場を離れる。しかし、その後にザーラと彼女の彼氏の死体が発見される。たまたま会話を交わしたザーラのことが気になるマックスは独自に捜査をするのだが、思いも寄らぬ真実にぶち当たり・・・![]()
本作には色々な事情を抱えた移民達が出てくる。例えば20歳代半ばのメキシコ人女性は不法労働者としてアメリカ生まれの息子(アメリカで産まれた子供はそのままアメリカ人になれる)をそのままにしてメキシコに強制送還されたり、オーストラリアからやってきた白人の美女は何とかしてアメリカで女優になろとする夢を捨てられずにそのまま居座り、オーストラリアでは大活躍していた女優として偽ってグリーンカード(永住権)(グリーンカードと得る方法は様々であり、この女性の場合は一芸に秀でていることを偽っている)を拾得しようとしたり、韓国籍の家族は祖国に希望を見出せずアメリカ国籍を取ろうとしたり、イスラム教であるバングラディシュ出身の女子高生は授業中に9.11について自爆テロを起こした側にも擁護する部分もあるとの発言をしたらFBI捜査官達が一斉に動き出し危険因子と見なされたり、様々な移民が出てくる。他にも熱心なユダヤ教でもないのだが、アメリカ国籍をとるために敬虔なユダヤ教のふりをする者も出てくる。
様々なアメリカ国籍の取り方を知らされると同時に、希望を持てない者が、ほとんど希望を得られないアメリカで、もがき苦しんでいる姿を見せられる。
ちなみに現在の我が国ニッポンで起きている不法移民だが、埼玉県の川口市周辺のクルド人の問題が顕著になっている。治安が安全だと言われている我が国だが、すでに我々の生活が脅かされている。それでも国や地方自治体の中では移民政策を取ろうとしている所があるが、移民政策に関しては相当慎重にならなければいけないだろう。労働力不足を補うために安い賃金で賄えるから外国人を片っ端から日本に移住させてしまえ!というような方法しか考えられないのでは能がなさすぎる。このままでは日本の伝統、文化、マナーがぶっ壊される。
移民国家アメリカらしく移民達の苦しみを描いている。アメリカでも不法移民の存在が問題になっているが、むしろアメリカとはお国柄が違う我が国ニッポンの方が移民問題は深刻だと考えさせられる映画であった。
移民問題に興味のある人、9.11以来のアメリカの姿を知りたい人、アメリカンドリームと言う言葉に陶酔してしまっている人、なぜかこれからアメリカ国籍を取ろうとしている人、いつもと違うハリソン・フォードを見たい人等に今回は正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官をお勧めに挙げておこう![]()
