2017年11月10日私はアメリカへ飛び立つこととなった。

ロスで行われるイベントに招待されたからだ。

旅にはジャングルという会社からスタッフがついてきてくれた。ありなさんだ。

先の文章で「ロス」などと粋がっていたが私は未だにロスがアメリカのどの部分にあるのかを知らない。

あと全く英語が話せない。なんなら海外旅行にも慣れておらず飛行機にもそんなに乗った経験がない。

私はこの遠征、英語が話せるありなさんに全体重を預けて生活しようと決めていた。

飛行機が飛び立つまでの間、私はありなさんにいろんな事を質問し続けた。不安でギンギンだったのだ。

ありなさんはいい按配で私の質問の切れ間を見つけ、そして眠った。

ありがとうありなさん。申し訳ない。

 

一方わたしは一切眠れる気がしなかった。フライト時間は10時間。

その間ずっと鉄の塊に乗って空を飛ぶのだ。恐ろしすぎる。

いくら物凄いエンジンがついていようが鉄が何時間も空を飛ぶのはフィクションだと思う。

母に預けている猫のことも気がかりだった。アメリカから帰ってきてもしも猫が私のことを忘れていたらどうしよう。

私にもしものことがあったときの為にバッ君にツイッターのパスワードを教えればよかった。

そんなこんなを考えながら

離陸から15分もたたずにわたしも寝た。

時差ボケ対策なのか、それとも睡眠をとりやすい環境にするためかはわからないが、しばらくすると電気が消えた。

気が付くと電気がついていて、CAさんがでかいガラガラを引き、横に立っていた。

飯の時間だ。

CAさんは英語で「米かパンか」と訊ねてきた。

圧倒的に情報量が少ない。

パンにした。

未来のごはんのようでかっこいい。

多分すごくおいしい味付けがされていたんだけど飛行機に乗っている緊張感のほうがでかかったせいで味が全く分からなかった。

シラフで食べたい。

食べ終わった後はすぐに消灯。再び眠りについた。

また気づくと照明が点灯しており、CAさんが横に立っていた。

機内食のスパンがめちゃくちゃ短い。

チキンを選択し、食べ終えるとまた電気が消えた。

寝る→食う→寝る→食うの繰り返し。ちょっぴり暇だ。

なんとなく隣に目をやると、ありなさんがこちらを見ていた。

私は「できるだけありなさんのストレスにならない様にしよう」と思った。

果たして我々は無事にアメリカにたどり着けるのか。

そしてアメリカで我々を待ち受けていたものとは…?

 

つづく