大きな事件があったわけじゃない。
平凡に過ぎてく日々だ。
誰かに傷つけられたわけでもない。
いつか誰かと結婚して、
それなりに幸せに暮らしていくんだろう。
そんな未来が “無難な予想” として頭に浮かんでいた。
でも——
その未来を思い描くたびに、胸の奥がざわついた。
「このままで、ただ人生過ぎてくだけでいいのかな?」
その小さな違和感は、
日々の生活の中で少しずつ大きくなっていった。
気がつけば私は、
“今のままじゃ嫌だ”
“このまま歳を重ねたくない” と
贅沢にも静かに強く思うようになっていた。
やりたいことも挑戦したいことも、
変わりたい気持ちもあった。
でも私にはまだ踏み出せない。
まだいいや。そう思ってた。
仕事も安定している。
実家暮らしで困ることもない。
生活に不満はなかった。
それでも——
“何かが違う” という感覚だけは消えなかった。
その中でも
周りはどんどん変化していく。
結婚したり。
新しい場所へ飛び込む人たちを見ていると、
”私だけ止まっている気がした”
焦りのせいか、たまにふっと、
心がさみしくなる瞬間があった。
本当は自立したかった。
一人暮らしもしてみたい。
自分の人生を、自分の手で動かしてみたかった。
でも “怖さ” がその一歩を止めた。
お金のこと、体力のこと、
もし失敗したらどうなるんだろう、という不安。
実家暮らしの“安心”は心地よかったけれど、
その安心に甘えている自分に、
時々苦しくなる瞬間もあった。
「このまま何も変わらず過ごしていたら
私は一生、自分の人生を生きられない」
そんな思いと向き合うようになったのが、
この時期だった。


