ハップストア.オリジナル.バイカー.キャップが完成入荷しました。

暫く売り切れ欠損していましたが、再生産致しました。

今回のロットから資材や工賃の原価高騰の為、

やむを得ず価格を改定値上げさせて頂きました。

ご理解下さい。

 

以下の文章をヤフオク出品に掲載しようとしたら

「説明が長すぎるので短くして下さい」との事。。

ざけんなよ!と思いつつも仕方無いので、かなり端折り出品。

この帽子に対する私の思いや拘り、製作裏話など

ご興味ある方は拝読下さい。長いですよ(笑)

      ↓

 

お陰様で作り始めて早20年が経過致しました。

製作の度に修正改良を重ね最高の物を作るべく、

研究努力を重ねて参りました。

職人さんの廃業や工場さんの都合等で難航しましが、

漸く完成まで漕ぎ着けました。。

資材の都合上、今回のロッドも極小量生産です。

 

以下商品説明です。

 

私物の1940年代~50年代ビンテージ.ハーレー.キャップを徹底検証し、

ビンテージの雰囲気を壊さぬ様、できる限り再現してみました。

 

アパレルブランドなどが流行でたまにリリースする

「キャスケットとバイカーキャップの中間」

「現在のファッショにも合わせ易く」

「気軽に被れるバイカーキャップ風」

などと云う中途半端なコンセプトのファッションアイテムではありません。

ともすればコスプレになってしまうかもしれませんが、

本作は如何に40〜50年代のアメリカ製バイカーキャップを

リアルに再現するか。がテーマです。

本気で作ったモーターサイクルキャップどうぞお試し下さい。

 

ビンテージはプレミア価格で高値取引されている為、

そう気軽には入手できません。

一般的な日本人男性に合うサイズ58〜60cmは市場には殆ど出回らず、

仮にデットストックやコンデイョンが良い物でも最低50年以上経過している物なので

耐久性に欠けるのが最大の欠点です。

内側の腰芯が紙製なので汗や汚れですぐダメになり水洗いも不可です。

頭に直接触れるスベリ部分は当時としては先端技術の合成皮革が逆に仇となり、

被っていると表皮がボロボロと剥がれてきます。。

幾らカッコ良くても被れなければ実用的な帽子ではなく、

コレクションアイテムです。

実際自分の手元にあるビンテージも希少価値を考えると勿体無くて被れません。

以下商品各部の説明です。

 

① 帽体

帽体の素材は呼称不明ですが無地の毛100%の綾織りで生地厚、

触り心地などもビンテージと比べて何ら遜色の無い大変雰囲気の近い物です。

八方接ぎの内縫いで外側に縫い目の無いタイプです。

 

② 裏地

黒無地の化繊生地で素材感は本物とそっくりです。

接ぎパターンや縫製もビンテージと同じ仕様にしました。

 

③ バイザー(庇)

エナメルぽい光沢のある合成皮革(ビニールレザー)の様な素材です。

こちらもビンテージの雰囲気にかなり近いです。

 

芯材は不明ですがヴィンテージと同じ位の堅さです。

バイザーの裏側はビンテージを意識した緑色にしました。

ビンテージは深緑色ですが全く同じ色は見付からなかったので妥協しました。

しかしながら、この部分は普段表から見える部分では無いので

全く気にならないと思います。

 

またバイザーの形状、長さ、付き角度、堅さには

特に注意し配慮しました。

 

バイザーの長さは中心部で約42ミリ、ビンテージと略同じです。

バイザーの付き角度も少し下向きに取り付けているので

横から見た際の雰囲気がそっくりです。

 

トリムのステッチ糸の太さとピッチは色々あった様で、

私物のビンテージはステッチの一部が解れて外れていたので、

このピッチでは解れ易いのでは?と考え、

現在の糸素材とピッチの縫い方で改良致しました。

 

私物の'40sビンテージはトリム幅約5ミリで狭いピッチ幅の中番手の綿糸、

'50sはトリム幅7ミリで広いピッチ幅の太番手の綿糸で縫製されていました。

恐らく作られた年代や製造工場でそれぞれ細かい仕様等は

何パターンも存在したのだと思われます。

本製品はトリム幅8ミリで狭いピッチで細番手の化繊糸で縫製しました。

 

 

④ 腰幅

ビンテージと略同じの3.5cmです。この部分を狭くしたり太くすると

著しく雰囲気を損ねるので忠実に再現しました。

スベリを縫合する縫い目も下から4ミリでビンテージと略同じです。

 

⑤ 飾り紐

レーヨン100%素材です。

紐の太さはビンテージと略同じです。

 

紐の結び方にも数種類あった様です。

'50sは片方の端が輪状で、もう片方は2本の端を糸で縫い合わせていますが、

'40sは飾りの結び目で終わる様に両端が輪状になっていています。

仕上がりがキレイでしたのでこちらを採用しました。

 

⑥ 耳章釦

ビンテージは直径約16ミリの半球に近いドーム型の物が使われていますが、

国内外を探しまくりましたが同じ物は見付からず、

国産の金属製で黒塗り焼き付け塗装、割りピン式、

直径約14ミリの物を使用しました。

金型を起こして一からの製作も考え見積もりしましたが、

最低ロットが10000個からで非現実的だったので諦めました。

 

⑦ 空気穴ハトメ、ベンチレーション

金属製の黒塗りで外径8ミリ、

内径4ミリの略ビンテージと同じ物を取り付け、

穴の位置も同じにしました。

この穴が帽子内の通気性を高め、蒸れを軽減します。

 

⑧ 天釦

直径15ミリの少し半球型の共地包みタイプを使用します。

当初は直径18ミリの物しか無く、色々探し見付け出しました。

ビンテージは直径14ミリ程ですが略同じ雰囲気です。

 

⑨ ワッペン

'40sビンテージから型越ししました。

大きさ、形状、糸色の雰囲気もそっくりです。

HARLEY-DAVIDSONの上下にMOTOR CYCLEと入る

ウィングバーシールドタイプです。

黒化繊地ツイルベースで縁もオレンジ糸で仕上げ

ビンテージと同じ仕様にしました。

黒い物以外の帽子や洋服に貼付けても違和感が有りません。

 

ワッペンは¥1650(税込)で出品別売りもしています。

 

⑩ ワッペンの縫い付け方

ビンテージは縁をオレンジの糸でジグザグ縫いしていますが、

帽子工場にはジグザグ縫い用の工業用ミシンが無く、

こちらで家庭用ミシンのオプション機能で縫い付けようか?

とも考えましたが、アイロンでプレスしてシワやヨレ無く縫い付けるのは至難の業と考え、

黒い部分を黒糸の直線縫いにしました。

結果ワッペンは縫い跡が目立たないので只単に貼付けている様にも見えます。

少しハミ出た糸がなんとも愛らしく見えるジグザグ縫いは

ビンテージな味わいとして再現したい部分ではありましたが、

この部分に拘っていては前に進めなかったので妥協しました。

 

⑪ スベリ

ヴィンテージは合成皮革なので経年でボロボロになるので

汗を吸い込んでも洗濯できる耐久性のある化繊素材を使用しました。

結果、被り心地の快い帽子になりました。

 

⑫ 腰芯

制帽と同じ作りの塩化ビニール系素材の堅い物を使用し、

形崩れ防止に一役買う事に成功しました。

ビンテージの腰芯はあろう事か?紙製なので経年で

ボロボロになってしまうので全くお話しになりません...

家庭用洗濯機を使い帽子をネットに入れ弱で何度も水洗いましたが、

色落ち、縮み、型崩れも無く全く問題ありません。

 

注意:洗濯は水温、洗剤、乾燥のさせ方など条件状況に寄り、

変動すると思いますので洗濯後の変化については保証は出来ません。

 

⑬ 風宛て

額の裏側に付くパーツの事です。

塩化ビニール系素材でビンテージと同じ形状にしました。

生地を傷めない様に縁にパイピングを施しています。

実はこの「風宛て」こそがモーターサイクルキャップが

モーターサイクルキャップである所以、

最も重要なパーツのひとつなのです。

この形状や高さ取り付け方が少しでも違うと

イメージが大きく崩れてしまいます。

サイズがぴったりと合っていれば実際にライディング時でも

時速50マイル(約80km/h)位まででしたら、

帽子が風で飛ばされる事無く走行できます。

アゴ紐を掛ければもっと高速でも大丈夫だと思いますが

安全性や法律上N.Gですので事故や警察に交通違反切符を切られても

当方は責任持ちませんので悪しからず。

 

※ 前回のロットからサイズ調整機能のベロクロテープを

スベリ後ろ裏側に内蔵しました。

2〜3cmサイズを縮める事が可能です。

 

最後に

 

色んなアパレルショップなどでバイカーキャップがリリースされていますが、

正直どれも100%納得のいく物には巡り逢えませんでした。

1980年代〜90年代アメリカ製の復刻品が出回りましたが

残念ながらビンテージの物とは似て非なる物でした。。

 

昨今、アメリカから$100~$150位で

レプリカがリリースされていて知り合いが購入したのですが、

ポリエステル素材でバイザーも長く、一寸残念な商品でした。。

本国アメリカでも完璧なレプリカは作られていないのが逆に不思議です。

 

手前味噌ですが、当店のバイカーキャップは

実用性、機能性、耐久性、ファッション性の全て兼ね備えた

至極の逸品と自負して居ります。

本製品は100%日本製です。安心してお買い求め下さい。