Q3.2才7ヶ月のMちゃんのST(言語指導)についての質問 | YUKAのおもちゃ箱

YUKAのおもちゃ箱

ダウン症があるために筋力が弱い子供の運動機能の発達を促す遊具、
知育に役立つ手作りおもちゃ、言葉や数を理解するためのオリジナル教材の作り方、成長記録などをご紹介しています。

Q 3.久しぶりのST(言語指導)でした。2ピースパズルや色分け遊びをしました。こういうので言葉の訓練になっているのかなぁ、といつも疑問に思ってしまいます。
Mが話せないのなら、それを伝える手段として色々な物の絵を紙に貼ってそれをMが指さして自分の気持ちを伝えるような感じにしては?と言われました。それは確かに必要な事かもしれないけれど、そういうモノに頼ってしまうことで、ますます言葉の必要性を感じなくなってしまうのでは?と思ってしまいます。モノを使って気持ちを伝える術よりも、どうやったら言葉を発するようになってくれるのか、が知りたい。いずれは話せるようになるようだし、だとしたらそういうモノを使うことよりも、将来話せるようになった時に美しい発音が出来るようになるコツなどを教えて欲しいと思う。月に1度のST(言語指導)、本当にこれでいいのかなぁと悩みながら通っている。違うST(言語指導)を探すべきか、継続することに意味があるのか?Mのために一番良いのは何なのだろう?
(Fさんの掲示板から転載させていただきました。Mちゃんは2才7ヶ月のお嬢さんです)


A 3.先輩ママ(Aさん)からのアドバイス
Mちゃんの今の年頃では、まだ言葉の概念を広げる方が大切なんだそうですよ。色分け遊びによって、物には色があるんだなぁ…この色とこの色は同じだなぁ…それで、この色はどうやら人は「赤」って名前をつけているんだなぁ…子供はそんなふうに概念を広げていくんですって。 色という概念を知らない子に、「赤」と言う言葉をいくら教えても理解はできない。物の概念・数の概念・時間の概念・高さの概念・大きさ広さの概念…いっぱいひろげてあげなくちゃね。
別角度から。
言葉を話すというのは人とコミュニケーションをとるということ。指さしして人に訴えるというのは、ものすごく重要なことなんですって。
まず、指さし。何をおいても指さし。絵を指さして、コミュニケーションをとれるのはすごく良いこと。その時に子供から単語が出ないと焦ってはだめ。単語を言いながら指さしできるということは、もはや2語文、3語文を話す能力がついているのと同等じゃないとできないそうです。大人は、指さされた絵を見て、言葉で返してあげる…が基本だそうです。
最後に発音というのは口の筋肉を意識的に上手に使えないとできないそうです。口の筋肉を使うというのは細かい運動。身体をいっぱい使って粗大運動で大きな筋肉を鍛え、そこから徐々に細かい筋肉を鍛えてはじめて口の筋肉もうまく使えるようになるそうです。あつしはなかなかジャンプできなかったの。粗大運動が苦手。なるべく外に連れ出して運動することから始めました。最近やっとジャンプらしいことができて、ようやく単語が出てきた感じ。
さて、ここまでの段階を前言語といいます。Nはもうすぐ5歳。未だ前言語段階。
Fさん、焦っちゃだめよ。言葉とジャングルジム、何の関係もないようだけど、ジャングルジムに上れるくらい筋力つけないと。(あ、例えば…の話よ)
Bさんが、学童期こそST(言語指導)が必要なんじゃないかしら?っておっしゃっていたけれど、私もホントにそう思う。親は早く子供に単語をしゃべって欲しいから、幼いときからST(言語指導)、ST…と思うけれど、やっぱり身体を作ることが大事なんじゃないか…と思うの。で、実際ST(言語指導)でやっていることの意味がわからなかったりするのよね。あたしも、何度も何度も、前言語段階の説明を受けてようやく納得したばかりだもの。


A 3.先輩ママ(Bさん)からのアドバイス
Aさん!さすがにイイこというわ~~!!
私もまるっきり同じ意見よ!確かに、いまは意味のないことのように思えるかもしれないけど、その積み重ねが次につながっていくのよ。Yは、ST(言語指導)の中で確実に言葉をたくさん覚えていったもの。(詳しくはウチのサイト内のスペシャルニーズダウン症編で(笑))キレイに発音するのは、ダウン症の子ども達にはなかなか難しいことなのよ。それは舌の大きさや下顎が未発達なことにも、関係しているのだけどそういうこともあって、家族には理解できるけど第3者にはわかりにくい言葉を話す子が多いのも、ダウン症の人たちには多いのよ。
そんなときに、指差ししたりトーキングエイドを使ったりジェスチャーしたりいろんなことを駆使して、相手に自分の意思を伝える術を学ぶのも、いまのMちゃんのSTだと思うのよ。まずは、相手に自分の気持ちを伝える術を。伝えたい!と思えることも大事なんじゃないかなぁ?
3月から、再びYがST(言語指導)を始めることになったのだけど、言葉が出始めてからはじめる今回のST(言語指導)。どんな風になるのか、実はかなりドキドキなのよ。毎日生きてることが、そのままST(言語指導)にもつながっていると思うよ~。


A 3.先輩ママ(Cさん)からのアドバイス
K(3才)ST(言語指導)やり始めてもうすぐ一年。今、次の段階に行きそうで行かない、そんなところをウロウロしてます。言葉の貯金って本当なんだなぁってあらためて実感してます。
そうそう!Fさん!
『ジェスチャー何でいるのか?』とか『幼児語なんでいるのか?』って思う人、本当たくさんいると思うんだけど、私は肯定派なんです.
多分Mちゃんにとって、今の段階で言葉を発するのは難しいんだと思う。もしかしたらそれは、発音できないからかもしれないし、概念自体を理解してないからかもしれないんだけど。そういうときに、言葉付きのジェスチャーだったら!視覚的にもすぐわかるし、真似だってするのは多分簡単。何を言ってるのかを正確に掴むことができるし、そうすれば、このジェスチャーだったら自分からより簡単に表現できる。英語とか聞き取ることは出来ても話せない人がいるのと同じだと思うの。自分から言葉を発する際、しっかり理解が出来てないと言葉として伝えられないから。そして、このできる!ってのが実は大事なんだと思うんだ。伝えられたって喜びがまた次に繋がるし。ジェスチャーは言葉の世界を広げていくきっかけやイメージの一つになっていくんだと思います。後でジェスチャー無しにしていけば良いんだし。。。
幼児語も一緒。乗るを「のんの」と未だに言ってるK(しかもイスや乗るものの場所を2,3回叩きながら=つまりジェスチャー付き)。もし普通の言葉で「乗る」を使って命令するにしても、「乗ってね」「乗りなさい」「乗るの!」っていういろんな命令をごちゃ混ぜにして命令してたんじゃ、語尾が違うから全然通じないし、覚えていかないと思うの。でも「のんの」ってイスを叩きながら言っていたから、いつも一緒の言葉だったし、Kにとって言葉として覚えやすかったはず。座るんだなってわかってもらえたし、自分でもいろんなシーンで「のんの」って使えるようになったのだ。今はこれを『乗る』と言う言葉や『座る』と言う言葉に置き換え中。まだまだ難しいです。。。。


A 3.先輩ママ(Dさん)からのアドバイス
STにまつわるお話(このBBS含め)とっても勉強になりました。
私もいろいろと考えながら毎日を過ごしてるわ。親って一つできるようになるとすぐに次の段階に進もうとしてしまうのよね。まだ子供は前の段階を終わりきってないかもしれないのに…。
うちのEは比較的言葉は出るほうだといわれてる。だけど「指差し」をあまり見なかったのよね。だから言葉が出てるにもかかわらず指差しも添えてるのよ。それだけ「指差し」って必要なことみたい。動作法を教えてくれてる学生さんが「指差しの研究」をやってるほど重要なことらしいよ!
前にどこかできいた話しは、単語(「あれ」とか「はい」も含めて)が2000個くらい頭にインプットされてから発語になるんだって。だからとにかくいろんな言葉を子供にかけてあげることが大事だって言ってた。(その時に指差しを加えるとなお良し!)うちの子がよく言葉が出てるのは私がお喋りってことと、私がぐうたらで「そこの本とって!」なんて指差して取らせてるから…!
Mちゃんはいっぱい貯めてる時だから、数年後には「姉妹でお喋りで…」なんて言ってるかもよ~!


Fさんからのお返事
ありがとうございます。悩んでいたところに、素敵なお言葉。目から鱗、というか心の中にあった氷がすぅ~~っと溶けたような感じでした。普通の子供達なら親が気付かない間に修得している「概念」をダウン症の子供達が修得するにはそれなりの時間ときっかけが必要なのでしょうね。歩くのが遅いのは筋力が弱いから、その筋力の弱さは子供の足を触ってみればわかる。だって本当に柔らかくてプワプワだもの。概念もきっとそんな感じなんだろうね。目には見えないけどきっと具象化したら筋肉のようにプワプワで、今使うには危ういくらいで。しっかりと使いこなせるようになるまではそれなりに時間をかけていかなくてはならないのでしょうね。目に見えない分、どのくらい概念がつかめているかわかりづらいけどきっとそういう時期になってきたら、それが言葉として出てくるようになるのでしょうね…
指さしは大事なことだとわかってはいたけど、発育の一段階であって、指さしが出来るようになればすぐにそれを卒業して次のステップへ、と移りゆくものだと思っていました。だけど、そうではないのですよね。よく考えれば上の子だって未だに指さしをする。それに言葉が付随しているから指さしだけが一人歩きはしない。だから気にならない。Mの場合は指さししか出来ないから、言葉が付いてこないことが不安で、このまま指さしだけで終わってしまうのかもなんて思ってしまったり…
こちらの言うことはある程度理解しているようなので、それなりにコミュニケーションが取れている、と思っていたけれどそれはMにとっては違うのかもしれませんよね。確かに私の方は言いたいことが伝わっているからストレスを感じないけど、言いたいことが伝わらないMにしたら、きっとそれはストレスになるんだろうなぁ…
そして、体を鍛えることの大事さ。口腔内の刺激だけでOKだと思いこんでいたけど、人間の体ってそんなに簡単なものではないですよね。(部分やせが出来ないのもきっと同じですよね。ダイエットに悩んでいる私はそれを痛感いたしております!)それに、言葉だけでなくいろんな発達のことばかりを気にして「これは○○に効きそうだから」と遊びの幅を狭めたりするのではなく、いろんな遊びを経験させた方がいいのでしょうね。体をたくさん
使っての遊びも大事、ちまちまとした遊びも大事。そして一番大事なのはそれを楽しむという事なのでしょうね。
いいお話をありがとうございました。なんだかふっと気持ちが軽くなりました。焦っているつもりはなかったけど、知らず知らずのうちにMの言葉の遅れをウジウジ悩んでいる私がいたのは確か。そしてその悩んでいた理由は紛れもなく「遅い」から。先日の保育参観でよそのお子さんとの差を感じ、いよいよ差が広がって来たなぁと思っていたところだもの。焦ってたんだと思う。本当に、本当にありがとうございました。


A 3.先輩ママ(Sさん・ハワイ在住)からのアドバイス
もう既にFさんからのお礼のお言葉が入っていたし、私も皆と同じような意見だから、私が今更口を出すまでも無いかと思いましたが、折角ですので、皆様方のお答えプラス、Fさんが先急いだ答えに近いものに関して1つ2つ。
それは『ゆ~っくり言葉かけしてあげること』と『行動と話している内容を一致させ、簡潔な内容で常に話しかけてあげること』です。こう言ってしまうとちょっと難しく感じますが、例をあげるととても簡単です。でもママの根気よさ、忍耐強さが必要とされます(笑)
例1.靴を履く時に、「靴を履こうね♪」と声をかける。
例2.オムツを取り替える時に「お尻を綺麗にしようね。」と声をかけ「はぃ、拭いて綺麗綺麗♪」と言いながらお尻を拭く。拭き終わったら「サッパリしたねぇ♪」その後「お尻お尻~♪」と言いながらお尻を触る、とか。そうすると『あ、これがお尻って言うんだ。これが履くってことなんだ。』って子供ながらに自然に頭の中に入っていくのね。

そして指差しが出来るようになったら儲けもの。「どっち?」と質問をするんですね。
例えば食べる時。必ず2つのモノから選ばせます。Hだったら大好物のアイスクリ~ムと、余り好みでないゼリ~。
それらを2つ目の前に出して「Hちゃん、どっちを食べたい?アイスクリ~ム(アイスクリームを振りながら)?それともゼリ~(ゼリーを振りながら)?」と聞きます。
初め反応が無かったら「ママはねぇ(じっくり考えるふりをしながら)、ゼリ~!」と言って、ゼリーを取ります。そして「いっただきま~す♪」と言いながら美味しそうに食べる真似をします。
それからまた2つをHの前に並べて「はい、じゃぁHちゃんは?」と聞き直します。
そうするとアイスクリ~ムを指させちゃったりするんですね。
そこでゆっくり、ハッキリと「はぃアイスクリ~ム!!」と言いながら、すぐにアイスクリ~ムを渡してあげます。子供の手に渡ったら、その時にもう1度「アイスクリ~ム。」とゆっくり言って、ちょっと反応を見ます。その時に「ム」とか「イム」とか言えたら、すごく喜んで褒めてあげます。で、そこでおしまい。そのまま食べさせてあげます。
それ以上は強要しません。しつこくなると子供の方が嫌がるor萎縮してしまいます。楽しい遊びも楽しくなくなってしまいます。

その『選択』と『発音』を色々な場面で(おもちゃで遊ぶ時とか本を読む時とか)繰り返している内に、『自分で選ぶこと』と『発音』が一石二鳥で出来るようになっていくんですね。で、子どもとしても楽しい(&ゲッチュするのに必死(笑))ですから発音をしようと努力する。=段々と言葉らしい言葉が出てくるようになるんです♪
(今ではH、「マミ~!アイスクリ~ムちょ~だぃ♪」と言いながら冷凍庫を開けようとする始末です。)

あとは手遊びうた。『げんこつ山のたぬきさん』『おもちゃのチャチャチャ』『アイアイ』『頭・肩・ひざポンッ』などは本当に遊びながら踊りながらOT・ST・PT全てを賄えるので私はとてもお勧めです♪
Hは1歳からSTで日本の『手遊びうた』的なもの(歌と手話をマッチさせたやり方)を習っていましたが、その効果は『大』です♪
私が短大の保育科に在籍していた時でも、その『手遊びうた』の効果は常に教授達から教えられていましたので確実だと思います。
言葉と直結させたアプロ~チで手っ取り早いのは取りあえずこの位かなぁ。。Mちゃんの年齢でいうと。