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ジュリア(s)(2022年/仏)

~ 私自身を追いかける旅 ~

オリバー・トレイナー監督「ジュリア(s) /ジュリアズ」(2022年/仏)

 

運命の要素は、行動か、選択か、出会いか?

 

人生は決断の連続であり、その決断次第でそんなことも、あんなことがも有りえるのだ。

 

中盤から吞み込まれるように惹きつけられたけれど、面白いか?と聞かれたなら、そういう感情とは別の何かが渦巻く作品🎬
 

まさかでもやっぱりでもなく、得るだけ失うだけでもなくジュリアが代弁してゆく4人の男性とのそれぞれの人生。

 

 《もしもあの時》を何通りかのジュリアの転機と共に技ありの枝分かれで描いてゆく。 オムニバスでなく平行で経過してゆくいくつかの人生、通過点。

 

 

『あの時、あ~していたなら、こうしていたなら・・・。』
ジュリア(s)。ジュリアという存在は一人だけれど、父、子供、恋人、生徒、ピアノ、ジュリアと関わる人、物、事が反射し返す複数のジュリア。人生は称賛されることが物差しじゃない。だってどのジュリアにも素晴らしさがあるのだもの♡

 

幸せの分量って決まっているの?決して手放せないものとは?自分なりの解釈を様々繰り広げたり掘り下げてみたら、どこまでもいけそうな正解のない映画。だからこそ観て感じて欲しい。この映画の中にきっとあなたもいるから

 

私はいつかもう一度、もう二度、この映画の中の自分に会いにゆく気がしてる、ワインを片手に🍷

 

劇場公開日:2023年5月5日
上映時間:120分

ストーリー
2052 年パリ。80 歳の誕⽣⽇を迎えたジュリアはこれまでの充実した⼈⽣に満⾜しつつも、過去を振り返り⾃分が過ごしていたかもしれない別の⼈⽣に想いを馳せていた。ピアニストを⽬指していた17 歳の秋。ベルリンの壁崩壊を知り友⼈たちとベルリンへ向かった⽇、もしバスに乗り遅れなかったら︖本屋で彼に出会ってなかったら︖シューマン・コンクールの結果が違ったら︖私が運転していたら︖ジュリアが頭に描いたのは、そんな何気ない瞬間から枝分かれしていった4 つの⼈⽣。そのどれもが決して楽ではないけれど、愛しい⼈たちとのかけがえのない⽇々で満たされていて眩しい。果たして、ジュリアが選び取った幸せな“今”につながるたった⼀つの⼈⽣とは︖
 
キャスト
ルー・ドゥ・ラージュ、ラファエル・ペルソナ、イザベル・カレ、グレゴリー・ガドゥボワ他

 

 

 

 

 

冬時間のパリ(2018年/仏)

~ 終わりという始まり  ~

オリヴィエ・アサイヤス 監督「冬時間のパリ」(2018年/仏)

 

『冬のパリ。丁寧な暮らし。』を連想させる邦題とは全く異なる内容フランス

 

電子書籍化が進む出版界の編集者や作家、登場人物がとにかく議論を止めない、不倫も止めない。

 

世代は選ぶけれど、ジュリエット・ビノシュ、ギヨーム・カネが夫婦役だし、畳み掛けるような膨大な台詞たちが理屈っぽい私には興味深く、なかなか面白かったハート

 

遊びもあって、ジュリエット・ビノシュ演じるセレナの不倫相手の作家レオナールが小説で引用する映画を「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」から「白いリボン」にしたくだりは、声を出して笑ってしまいました📗


そのジュリエット・ビノシュが今回売れない女優役というのが可笑しい。テレビドラマでアクションばかりの刑事役に挑戦。それもシーズン4、「共謀」。私の知る限り、拳銃片手に潜入する彼女の姿など見たことがなかったのでえらく新鮮銃。そこは大女優の余裕ですねネイル

 

 

デジタル化。あらゆる本がオンラインで読めるようになる一方で塗り絵や刺繍が人気🦋


終わりの始まりが訪れても余波は続き、原題の「二重生活」(Doubles Vies)と同じで、どちらか一方で納まり、治まるものなどないに等しく、未来への危惧を含めて、この世はどこか平行線という揺らぎを脚本化したのかも知れないですね地球

 

普段着のパリもところどころ出てきますし、全く甘くないロマンス、皮肉屋で個人主義だけれど孤独は極力回避というフランス人(個人的見解です)らしさが会話と現状から伝わってくる。

 

脚本も担当したオリヴィエ・アサイヤスは守備範囲が広い監督だし、何と言っても私の永遠の憧れ、マギー・チャンと結婚していた方ですから、次回作も期待したいですね♡

 

 

公開日:  2019年12月20日 (日本)

上映時間:107分

 

ストーリー

フランス、パリ。敏腕編集者のアラン(ギョーム・カネ)は電子書籍ブームが押し寄せるなか、なんとか時代に順応しようと腐心する日々。そんなある日、作家で友人のレオナール(ヴァンサン・マケーニュ)から、不倫をテーマにした新作の相談を受ける。レオナールは、我が道を行く私小説作家で、アランは内心、彼の作風はもう古臭いと感じていた。ところが、アランの妻で女優のセレナ(ジュリエット・ビノシュ)の意見は正反対だった。最近、アランとセレナの関係はあまり上手くいっているとはいえず、アランは年下の部下・ロール(クリスタル・テレ)と不倫中。一方、セレナの方もレオナールの妻で政治家秘書のヴァレリー(ノラ・ハムザウィ)に内緒で、彼と秘密の関係を結んでいるのだった。

 

キャスト

ジュリエット・ビノシュ :人気テレビシリーズに出演中の女優
ギヨーム・カネ : 敏腕編集者。セレナの夫。
ヴァンサン・マケーニュ: アランが担当している友人の作家。セレナと6年間不倫中。
クリスタ・テレ:アランの部下でデジタル担当。アランと不倫中。両性愛者。
ノラ・アムザウィ: 政治家秘書。レオナールの妻。
パスカル・グレゴリー:アランが勤める老舗出版社のオーナー

 

 

映画監督 オリヴィエ・アサヤス(Olivier Assayas)

出生地:フランス パリ

生年月日: 1955年1月25日

 

<監督作品>

無秩序 Désordre (1986年) 特殊上映
冬の子供 L'enfant de l'hiver (1989年)特殊上映
パリ・セヴェイユ Paris s'éveille (1991年)
Une nouvelle vie (1993年)
冷たい水 L'eau froide (1994年)映画祭上映
イルマ・ヴェップ Irma Vep (1996年)
8月の終わり、9月の初め Fin août, début septembre (1998年)特殊上映
感傷的な運命 Les Destinées Sentimentales (2000年)映画祭上映
DEMONLOVER デーモンラヴァー Demonlover (2002年)
クリーン Clean (2004年)
レディ アサシン Boarding Gate (2007年)
夏時間の庭 L'heure d'été (2008年)
コードネーム:カルロス 戦慄のテロリスト Carlos (2010年) ※テレビシリーズ
カルロス Carlos (2010年)上記のテレビシリーズを短縮し映画としたもの。
5月の後 Après mai (2012年)
アクトレス〜女たちの舞台〜 Clouds of Sils Maria(2014年)
パーソナル・ショッパー Personal Shopper (2016年)
冬時間のパリ Doubles Vies (2018年)
WASP ネットワーク Wasp Network (2019年)

 

<脚本>

Scopitone (1978年) ロラン・ペラン監督
Nuit féline (1979年) ジェラール・マルクス監督
ランデヴー Rendez-vous (1985年) アンドレ・テシネ監督
Passage secret (1985年) ロラン・ペラン監督
ジュリア・ザ・レプリカント L'unique (1986年) ジェリーム・ディアマン・ベルジェール監督 *VHSリリース
夜を殺した女 Le lieu du crime (1986年) アンドレ・テシネ監督 *VHSリリース、2016年TV5MONDE放映
Avril brisé (1987年) Liria Bégéja監督
Filha da Mãe (1990年) ジョアン・カニジョ監督
溺れゆく女 Alice et Martin (1998年) アンドレ・テシネ監督
告白小説、その結末 D'après une histoire vraie (2017年) ロマン・ポランスキー監督

 

#パリ #映画 #洋画 #映画感想 #映画レビュー

午前4時にパリの夜は明ける(2022年/仏)

~他人という自分へ~

ミカエル・アース 監督「午前4時にパリの夜は明ける」(2022年/仏)

 

『他者が垣間見るのは私たちの破片や断片だ。』・・・そう、夜明けには言葉が必要とされるのだ。

 

深夜ラジオを聴いているのは確かに長距離ドライバーだけではないけれど、午前4時過ぎに眠ること、午前4時に目を覚ますこと、午前4時を体験している人は少ない。それでも夜の乗客たちは何処かで様々な思いを胸に何かに心と耳を傾けている。

 

 

アパルトマンの大きな窓越しに広がる霞がかった80年代のパリ。生々しいし、ドラマチックなことは起こらないけれど、正にフランス映画であり、あるドラマだった。決して人生を美化していない、そんな張りつめた中での人の優しさが切なくて温かくて心に沁みた。

 

 

この映画で最も派手なのは、シャルロット・ゲンズブールとエマニュエル・ベアールのツーショットかな。

 

 

人生を受け入れるとはいったいどういうことなのか?成熟とは何か?を考えさせられた映画でもあったカチンコ

 

放っておけない。って美しい感情よね。懐かしく愛おしい記憶と共にすばらしき他人として自分も生きてゆきたいわ。

 

今ならばわかる。息子が詩人なのは母親が詩人だから。そんなラストがいいの📓

 

 

 

本作のオマージュ、25歳で夭折したフランスの女優パスカル・オジェについては良かったらこちらをどうぞ。

 

 

公開日:  2023年4月21日 (日本)

上映時間:111分

 

ストーリー

1980年代のパリを舞台に、ある家族が7年にわたって織りなす物語をつづった人間ドラマ。
1981年、パリの街は選挙の祝賀ムードに包まれ、希望と変革の雰囲気に満ちていた。そんな中、エリザベートは夫と別れ、子どもたちを1人で養うことに。深夜放送のラジオ番組の仕事に就いたエリザベートは、そこで家出少女のタルラと出会い自宅へ招き入れる。タルラとの交流を通し、エリザベートや子どもたちの心は徐々に変化していく。

 

キャスト

シャルロット・ゲンズブール
キト・レイヨン=リシュテル
ノエ・アビタ
メーガン・ノーサム
ティボー・ヴァンソン
エマニュエル・ベアール
ロラン・ポワトルノー
ディディエ・サンドル 他

 

#パリ #映画 #洋画 #映画感想 #映画レビュー

 

ミカエル・アース 監督作「#アマンダと僕」(2018年/仏)もとても印象的な映画なので、機会があれば是非♡

 

 

2023年11月に鑑賞した映画たち

1.アニタ 世紀のセクハラ事件(ネット配信)
2.犯罪心理分析官(ネット配信)
3.霧の旗(ネット配信)
4.クライシス(ネット配信)
5.グレート・アドベンチャー(ネット配信)
6.天空の結婚式(ネット配信)星
7.インシディアス 赤い扉(ネット配信)
8.The Son/息子(ネット配信)
9.アビリティ 特殊能力を得た男(ネット配信)
10.ドミノ(Theater)
11.バニシング:未解決事件(ネット配信)
12.アリバイ 高額報酬の代償(ネット配信)
13.カウントダウン/韓国(ネット配信)
14.カウントダウン/米(ネット配信)
15.パリタクシー(ネット配信)ハートハートハートハート
16.午前4時にパリの夜は明ける(ネット配信)星

 

先月の半分程しか鑑賞出来なかったです(´;ω;`)ウゥゥ

「パリタクシー」が群を抜いてましたフランス

 

星=個人的に観て良かった作品

ハート=個人的に好きな映画

パリタクシー(2022年/仏)

~巡り合わせの街角~

クリスチャン・カリオン監督「パリタクシー」(2022年/仏)

 

自らの過去で他人の今を救うって本当に素晴らしいことねハート


先は長いけれど急を要する崖っぷち仏頂面の46歳タクシー運転手ともう急ぐこともない美しい佇まいの92歳の乗客車

 

語られる予想外かつ衝撃のマダムの人生から、ようやく辿り着いた予想通りの着地に観客までも救われるラブレター

 

美しいパリの街並みを背景にほぼ車中ながら、原題(une belle course)通り、『美しき道のり』と『寄り道』美しくもほろ苦く描いた特別な時間を与えてくれる作品フランス

 

 

取り戻すとか取り返すとか、それは容易ではないからこそ、人は大切な言葉や心躍る思い出を胸に抱き生きてゆき、年を重ねれば重ねるほど、その遠い思い出やその頃の自分と密会することになるのね。そして思い出は決して長さではなく、短くとも自分にとって美しい思い出こそが人生のパートナーなんだわハート

 

「ひとつの怒りでひとつ老い、ひとつの笑顔でひとつ若返る」。真の怒りを経験した者だからこそ理解出来る名言。

 

出逢い。街も空も人の涙も笑顔もこんなにも美しいんだと思わせてくれるとても素敵な映画。
音楽も心地良く、この週末の映画鑑賞候補として是非カチンコ

 

 

公開日: 2022年9月21日 (ベルギー)

上映時間:91分

 

ストーリー
無愛想なタクシー運転手シャルルは、金も休みもなく免停寸前で、人生最大の危機に陥っていた。そんな折、彼は92歳の女性マドレーヌをパリの反対側まで送ることに。終活に向かうというマドレーヌは、シャルルに次々と寄り道を依頼する。彼女が人生を過ごしたパリの街には多くの秘密が隠されており、寄り道をするたびに、マドレーヌの意外な過去が明らかになる。そしてそのドライブは、いつしか2人の人生を大きく動かしていく。

 

キャスト

リーヌ・ルノー
ダニー・ブーン
アリス・イザーズ
ジェレミー・ラウールト
グウェンドリーヌ・アモン
ジュリー・デラルム
トマ・アルダン
アドリエル・ルー 他