女猫 (1958年/フランス) | 映画とわたしとイタリアと

女猫 (1958年/フランス)

はーと♪・・・信念・・・はーと♪
アンリ・ドコアン監督「女猫」(1958年/フランス)

女猫 [DVD]

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何故に今日この映画か。それは猫のような眼を持つ、ある女スパイ
が、ナチ将校と運命の出会いをするのがクリスマスの夜だからプレゼント付ツリー


この映画の舞台は第2次大戦下のフランス。ナチス支配に反対し、
方々でレジスタンスが起こりましたが、その中には数多くの女性闘志
も存在したといいます。正にその一人が別名《女猫》、主人公コーラ
なのです。

映画とわたしとイタリアと-LA CHATTE


亡き夫の任務を引継ぎ、諜報部員となったコーラとナチ将校との愛を
描いた本作は、今観ると「ブラックブック」を思い出させる映画だと
思いますが、ナチ将校と知って近づいた「ブラックブック」の女スパイ
とは違い、本作の女スパイコーラは、身元を偽ったナチ将校を愛して
しまう・・・立場が逆なんですね。そこがまず大きく異なる点でしょうか。

こちらは見応えたっぷりの作品
ブラックブック [DVD]
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レヴューを書きましたコレ
http://ameblo.jp/happytears/entry-10045411716.html

その女スパイに扮するフラソワーズ・アルヌールのモノクロに映える
妖艶な美しさが何よりこの映画の見所です。男を惹きつけて止まない
その瞳ゆえに追い込まれる女、コーラ。さて彼女を待ち受ける運命
とは??というお話しです。


細いウエストを強調した光沢のあるコート、さりげなく髪に巻かれた
スカーフ、そしてウェッジソールの靴と、戦時下でも流石はおフランス。
この出立ちがヒーロー寄りのヒロインの肖像をより強固にしている気が
します。それは女だからこそ、相手を油断させることが出来るという、
リスク覚悟の武器。

セクハラ丸出しのナチ大尉を演じるはクルト・フォン・マイゼル(右)
映画とわたしとイタリアと-LA CHATTE1

前半に追われるコーラが街を駆け抜けるシーンがあるのですが、とても
印象的です。もう少し愛し合う二人の葛藤が描けていればという不満も
あるのですが、展開には無駄がありません。

映画とわたしとイタリアと-LA CHATTE2


多分、主人公二人には多くの方が感情移入できると思いますよ。だって
何も悪くないのだもの。互いの心に侵入してしまった同志の思いやる
心が哀しいハートハート


映画とわたしとイタリアと-Francoise Arnoul

キラキラ女優 フランソワーズ・アルヌール Françoise Arnoul
1931年6月3日生まれ アルジェリア・コンスタンティーヌ出身

フランソワーズ・アルヌールというと、他にはジャン・ギャバンと共演した
「ヘッドライト」、「フレンチカンカン」が有名ですが、いつかそちらのレヴュー
も書きたいですね。ジャン・ギャバンの作品は学生の頃、集中的に
観たことがあるのですが、本当に素晴らしい映画が多かったです。


レンタルが見つからないこちらもフランソワーズ・アルヌールの出演作
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そう言えば、山城新伍さん監督、早乙女愛さん主演の邦画「女猫」も
観ましたが、これはいただけなかったですね(°Д°;≡°Д°;)

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この作品は戦場が出てこない静かな反戦映画と言えると思います。
学生時分に観たときは、今より数倍、ラストに衝撃を受けました。

戦争が生む、悲しみの連鎖。人間の本当のとは何なのか??とは
いったい何なのか??やりきれなさに虚しさが加味された人間ドラマです。


ストーリー本
レジスタンス活動に加わった未亡人コーラは、偶然ある男と知り合うが、
彼はナチス側だった。この偶然を知ったナチスのハインツ大尉は彼を
スイス人の新聞記者として彼女に近づくよう任命する。そうとも知らない
コーラは次第にベルナールに心惹かれていくのだった。


キャスト眼 目
フランソワーズ・アルヌール、ベルナール・ブリエ、ベルンハルト・ヴィッキ、
ロジェ・アナン、クルト・フォン・マイゼル 他


撮影:ピエール・モンタゼル
音楽:ジョセフ・コズマ
脚本:ジャック・レミー、アンリ・ドコアン
原作:ジャック・レミー
原題:LA CHATTE  約1時間49分


近年の作品から一本こちら
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スーツ姿が麗しいケイト・ブランシェットが諜報員。決してスパイ映画
という内容ではなく、戦争映画。やっぱりこういう映画はいつ観ても
心が痛い。まず進行が粗いわりには長い。そこをそんなにあっさり??と
いう驚きはいただけないし、全編英語というのはあまりに不自然だが、
ケイト・ブランシェットとビリー・クラダップの共演は素晴らしいぃ。そして
人間が究極の選択を強いられることで生み出される答えと行為には、
深く考えさせられる。