居候物語② | たっつのしあわせストマック2

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『なんか、ハンバーグ食いたくね?』



やつは突然言った。



『早く。混むから。
早く!!』



夜の11時半だぜ。

混むかよ。



『つーか何してんの?
俺、支度終わったし。
早く着替えろよ。』



支度って、リング嵌めただけじゃん。


ああもう、食べたいなら一人で行ってくれよ、眠たいのに。









『それ~ぞれ~ひとつのライフ♪
それ~ぞれ~が♂#$☆%?*♪‥‥』



眠さとダルさの極限状態で走らせる車の中は、やつの好きな
『RIP SLYME』
が流れている。


つか、好きなら歌詞覚えとけよ。



ちなみに、
『広瀬香美』
も好きらしい。


理由は、

『故郷を思い出すから』。



いや、ゲレンデの歌だよ。

谷じゃねえよ。





『あと、どんくらいで着く~?』



ポテチをむさぼりながら、気怠そうに聞いてくる。

てか、ポテチ我慢しろよ。








『いらっしゃいませ~』






『どれにしよっかな~。
やっぱ、ライス付きがアツいよなぁ~。』



知らねーよ、食べたいもん頼めよ。
てか何だよアツいって。
鉄板に乗って来るから全部熱いよ。




『失礼します』



あ、ほらほら、店員さん来たよ、早く注文しろよ。



ほら、注文。




注文しろよもう、しょうがねえな、


えーとね、



えーっと‥‥




ぅええええええっ!!!!??






『‥‥フローレン‥‥』



聞いた事無い程、情けない声でやつは言った。


本人には、ちゃんと
『フ』
付けるんじゃん。



うっすらと涙目になっているムーミンに、フローレンは言った。



『テメー、店ん中で話しかけんじゃねえぞ。
アタシがテメーなんかと知り合いって思われたくないからな。

バイト終わったら話してやっから、それまで待てよ。いいな。』



低く、ドスのある声で素早く囁くと、
背筋をしゃんと伸ばして店の奥へ消えて行った。


ていうか、誰がどう見ても、知り合いだと思うだろうが‥‥。
これも女心というやつだろうか。



ムーミンを見ると、さっきと違う涙目になっている。



『‥‥な、なに見てんだよ、見んなよ。
つか、さっきのコイケヤポテチで、腹いっぱいになっちまったわ。
店、出ようか?』



【厚切りリッチカット】
を食べれば、そりゃ腹は膨れるだろうと思ったが、言わなかった。



それにしても、まさかこんな所でフローレンさんがバイトしてただなんて。



これがホントの、



『びっくりドンキー』。

だと思った。




つづく。(多分)