病気になったら不安や恐怖になる。
誰かに、何かに治して貰おうと必死になる。
私もそうだった。
色んな病院へ行った。
色んな療法を調べた。
色んな神様に拝みに行った。
でも何をしても自分を納得させるものは、
残念ながらなかった。
手術をしたら不安がなくなるのか…
病院の先生が言う事を信じたら、恐怖がなくなるのか…
そう思ったが、心の中の私は首を縦には振らなかった。
自分の心の声を今まで聞いてこなかったのだから、
自分を大切にしたいと思う様になっていた。
何度も命を落としそうになったのだから、
力を抜いて第二の人生を進もうと決めた。
暫く気持ちの中は、前進したり、後退したり…
上手くバランスが取れていなかった。
そんな中、偶然にも出会った本。
中村天風さんのお話だった。
彼自身お医者さんだが、重い病に陥り、
治す方法を世界中を回ったが結局なかった。
諦めて帰国しようとした時、ヨガの聖者カリアッパ師との運命の出会いがあった。
そしてその方に着いていき、修行を二年半行ったそうだ。
お師匠さんが、ある日天風さんに犬を連れてこいと言った。
犬を連れて来ると、お師匠さんは犬と天風さんをナイフで切りつけた。
どちらが早く治ったと思いますか?
お師匠さんは天風さんに言いました。
「お前は、余計な事ばかりを考えていただろう。
治らなかったらどうしよう…
化膿したらどうしよう…
なんで切りつけたんだ…
そういう余計な心が治る力を弱めたのだ。
犬は、治ると信じて舐め続けた。
余計な事は一切考えずに。
だから、早く治ったんだ。」
天風さんの傷はまだ治っていなかったのに、
犬の傷はすっかり治っていた。
私はその話を聞いた時に、
自分になかったもの、
必要なものは、自分を信じる事だと分かった。
その時の私は常に脳腫瘍の事を気にし、
いつ死ぬんだろう…
どう死ぬんだろう…
なんでこんな事が自分に起こってしまったのだろう…
人を羨んでは、自分が哀れで仕方ないと思っていたのだ。
私は被害者じゃない。
私が病気を作ったのだ。
声なき身体が自分の身体で教えてくれたんだ。
今まで病院や治療に頼って、人任せにしようとしていた。
必死に色んな先生や治療法を探した。
だってその方が楽だから。
でも治ったさんの体験を聞いていると、それでは治らないと思った。
考えを、心を治さないといけない。
自分の舵を、自分で握らなければいけない。
怖い事かもしれない。
命がかかっているのだから。
だからこそ、握らなければいけない。
私の心はずっと教えてくれ、手術に対して抵抗してくれたんだと分かった。
そこから、私は病気の心配をやめた。
自分は今日を最大限に生きる事に忙しい。
今日に感謝し始めたら、脳腫瘍なんて小さなものになった。
いや、殆ど忘れて生活する様になった。
すると進行しなくなった。
そこには、自分らしく生きる場所があった。
ここまで読んで下さり、誠にありがとうございます。
読んで下さった方が、心穏やかに自分らしく生きれる様願っております。