子供と一緒に勉強していると、

「私には自由がない」

と、ポツリと呟いた。

勉強に行き詰まると、そんな事も言いたくなるのだな
私も小学生から塾に行かされていて、
そう思っていたのを思い出した。

自分は娘の様に真面目な生徒ではなかったし、
塾も強制的に行かされたものだから、
反抗心がメラメラしていた。
学校だって行く意味を感じれていなかったし、
遅刻の常習犯で、先生に反抗していたのに、
生徒会に入ったり、今思えば結構楽しんでいたと思う。

私は真面目な生徒ではなかったが、
自分であれこれ考えて過ごすのが好きだ。

勉強は嫌いだったが、
自分しか頼れるものがいない世界の中で、
論理的に解いて答えを導き出す事が好きだった。
それは、頭の中のパズルで、
そんな楽しみを持って問題を解く様になっていた。
だから、自分の人生で疑問を常に持ち、
読書嫌いなのに、調べ尽くさないと気が済まなくなった。
その先の答えが、新しい視点を与えてくれる事に気が付いたから。

生まれ育った所は、小さな村で物もなかった。
私の生活は、自然と共にあって、
自然に包まれながら生きてきたのだ。

朝起きられず遅刻をよくしていた私だったが、
山から見える朝日の光の神々しさと、温かさ
それを知ってから、毎朝7時に家から出て、
バス通学なのに徒歩で一時間かけて通学していた。

日の出前のぴりっとしまった清々しい空気の中、
朝露のブローチをつけた草花、
太陽、空、山、生き物。
一人で通学路を歩くのは、毎日発見があった。

その当時は、コンビニすらなかった村だった。
物がない分、
移り行く景色や季節を精一杯感じれた。
やる事がないので、
嫌々ながらさせられていた勉強を自分からしてみて、
「分かった」と感じれた事が楽しかった。
私は、「学ぶ」事が好きだと思った。

そんな私だから、
こんな命に囲まれてた村で育ってきたから、
病気になったって、
またそれに対しての答えを導いてこれたと思う。

始めこそは全てに対してやる気をなくし、
死を恐れ、毎日泣いていたけれど、

受け入れ
自分がどう行きたいのかを考え
行動し
そして、結果から、どう感じたかを心に寄り添って聞いてみる。
その心の声から、次へとステップアップしてきた。

その繰り返しをしていると、
本当の幸せとは、自分の心を満たす事だって分かった。

お金でもなく、名声でもない。
何がどんなにあっても、この世を離れる時には持っていけない。
物で心を満たす事ほど、心が満たされないものはない。

嫌な事は嫌だし、好きな事は好き。
自分が自分である事で、素直に心を解き放つ事が出来る。

そんな事を忘れていた私だったから、
身体が教えてくれたのだと思う。

それは自分じゃないよ

って。


「生きているだけで、自由なんだよ。
有難い事なんだよ。」

勉強をそっちのけで話すと、
娘は、

「私は自由だから、私の為に勉強する。
将来も自由に生きる為に。」

と、言って目を輝かせて勉強をする様になった。

生き方の視点が変わっただけで、
人は生きる意義を感じる事が出来ると思った。

ここまで読んでくれてありがとうございます。
実りの季節がやってきましたね。
黄金色の稲の輝きをたっぷり味わって下さいね。
今日もステキな一日をお過ごし下さい。


 

ご褒美お餅。

 

香ばしさがたまらない一品。
食品に対しても、
人に対しても、
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