私は、病気になって初めて、
癌だった祖父母や叔母が苦しみが分かった。
特に抗がん剤で脳梗塞になり、意識ははっきりしているのに,
身体に麻痺が残ってしまった叔母の事を思い出した。
顔にも力が入らなくなり、叔母の夫ですら妻はもう分からないと思って接していた。
胸が見えていても、自分の手で衣服を直す事が出来ず、
涙も出せなくなっていた。
辛かっただろう…。
母とお見舞いへ行った時に布団に隠れてしまった姿が、
鮮明に蘇ってきた。
今まで意地悪されていた母が、泣きながら、辛い思いを一緒に背負い、叔母の背中をさすってあげた事。
私は動く事が出来なかった。
それは病気が分かった私が一番欲しい事だと思った。
病気により凍ってしまった心を解きほぐしてくれるのは、
人の温かい気持ちだったのだ。
人の温もりが自分が落ち着けるものだった。
私は時間が許す限り子供達の手を握っていた。
心が弱り切って、人の温かさで自分の命がある事を知る。
そんな怯えた自分に気付き、
「他の病気の人はどう生きているのだろう」
と思った。
病気と宣告されたら、私みたいに絶望を味わう人がいるだろう。
鬱病になる人もいると聞いた。
私も今思えば鬱病だったのだ。
しかし、絶対克服して生きている人がいると思った。
そういう人の話、治った人の話を知りたかった。
癌を宣告された人の日記を見れば見る程、
病気と闘い、最期の日記が悲しかった。
次は自分かも…と思うと震え上がった。
希望となる日記には、中々出会えなかった。
本当は分かっていた。
脳腫瘍がどれだけ重い病気で、治る可能性も低い事を。
でも認めなくなかった、だって私は生きてるから。
その一心で、諦めずに探していると、
癌が治った人のお話を、ネットや本で見つける事が出来た。
それを読めば読むほど、自分も大丈夫！と思えた。
読めば読むほど、やっと心にじんわり温かさが戻ってきた。
そして、そんな希望が溢れる話を誰かが求めているのではないか、と考える様になった。
またこれまで集めてきた知識を、是非誰か必要な人の為に届けたい、と思った。
体調も安定し、このブログを始めた。
最初は無治療の事で毎日コメント欄やメッセージで炎上した。
「病気と闘わないのなら、アメブロを書くな。他の人に失礼だろ！」
「お風呂で発作が起こって溺れたのなら、すぐに病院へ行きませんか？作り話でしょう？」
メッセージを開けるのも怖くなり、ブログをやめようかと思った時も何度もあった。
しかし、そんな中、病気で辛いのに、しんどいのに、
そっと「ありがとう」というメッセージが届く様になった。
結局耐えれなくなりコメント欄は閉じてしまったが、
一生懸命私のブログを通して自分と向き合って下さっている方もいるのが分かった。
一人でもいい
私のブログで明るい気持ちになれる人がいればいい
その人との対話だと思って、書き続けた。
最初は、
私が皆を支える！
なんて、今となっては恥ずかしい大志ですが思っていたのです。
しかし、実際には私が支えて貰っている事に気が付きました。
病気が分かってから、辛くて、でも病気と向き合い元気に過ごしていました。
しかし主人との事で精神的に、身体的にもう立ち直れない所までいきました。
PCすら見る事が出来ず起き上がれなくなった時、
温かいメッセージが沢山、沢山届きました。
三ヵ月も寝込んでしまったので、大変ご心配をかけてしまったのですが、メッセージだけは何度も、何度も読みました。
返信出来る様になった時には、無常にもメッセージが消えてしまっていたので、返信が出来ていなくて…
しかし、そのメッセージ達に支えられ、
やっと自分を生きようと思える様になりました。
本当に、本当に、数えきれない気持ちと想いを頂き、
ありがとうございます。
私の心に寄り添ったメッセージが来る度に、
この人の心の豊かさ、強さはどこからくるのだろう
と、思います。
人に寄り添える強さ、温かさを持っている人は、
自分自身が辛い経験を持たれている方が殆どです。
病気の方、夫婦関係で苦労された方、介護を頑張っている方…
様々な人が痛みを持って生きています。
そして話すのも辛いはずなのに、貴重な時間を使って、
一文字一文字一生懸命語って下さるのです。
自分の痛みから学び、優しさに変えれる強さ
辛さを乗り越えた美しい心があって
人の心も見える様になる
そして、自分が今生きている事に感謝する事
それが、「心に寄り添う」という事なのだと感じました。
私はその域には全く達していないのですが、
そういう人に私もなりたい、と思いました。
これからも学ばせて下さい。
ありがとう、ありがとう、ありがとう。
出会って下さり、ありがとうございます。
寄り添って下さり、ありがとうございます。
あなたがあなたである事が、素晴らしいのです。
辛い事も笑顔に変えて、凛と生きる姿がたくましい。
そんなあなたに私もなりたい。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
ブログを始めて一年が経ちました。
ここまで支えて下さり、ありがとうございます。
読んで下さった方が、素敵な一日を過ごせます様願っております。
