病気の宣告

余命の宣告

こんなに人を苦しめる言葉は他になかった


ブログを書いていて

「早く死ね」

と書かれる事もあった

その一言も弱った私の心には突き刺さったが

宣告より強い破壊力を持った言葉はなかった


宣告されると一気に自分の人生が変わった気がした

悪い方向へ自分の未来が吸い寄せられる気がした

宣告は寝ても覚めても自分を引っ張り続けた

何も楽しむ事が出来なくなってしまった


宣告を受けると「死」へ意識が集中してしまう

もうそれ以外考えられないほどだ

宣告は「治らない」と決めつけられたもの

気持ちはこれ以上底がない程落ち込み

身体は起き上がる事も出来なくなり

本当に「病人」の生活になってしまう

「病人」の生活を続けると

本当に病気が悪化していった

気持ちが晴れる事はなく

テレビも何も面白くない

大好きだった事さえ

やったのはもう何年も前かの様な気がするほど

出来なくなってしまった

自分が腫れものになってしまったので


周りに気を遣わせるのも辛かった


どんな状態でも

朝は来る

そんな日々を過ごしていて気が付いた

身体はまだまだ動けると

宣告されてもすぐに死ぬわけではないと

そう思うと宣告すらなんだったのかと思えてきた

だって宣告される前とは何ら変わらない自分

たった一言で突き落とされたけど

実際は宣告される前すら病気と共存していたのだ

ただ宣告される前と今の違いは

お医者さんの一言だけだ


そう思うと急に馬鹿馬鹿しくなった

 

私の名前とカルテしか知らない人が自分を知れるはずないと

ましてや余命など分かるはずないと

きっと今頃は宣告した事すら忘れているのではないだろうか

そう思うと「宣告」の呪縛からやっと逃れられた


私はまだ命を燃やす

今日も、明日も、明後日も

今を誰よりも有難がって

誰よりも周りの人達を有難がって

生きる強さを持ち続けようじゃないか

私の身体は私が生かす

だからあなたの身体はあなたが生かして欲しい