私の叔母さんも、癌で亡くなった。

私の結婚式の数か月前だった。

叔母さんの子供が、ある日叔母さんの顔や目の黄色さに気づいて病院へ。

その時には末期の癌だった。

そこから抗がん剤治療や、手術、出来る事は全てやった。

お金がないのに、借金してでも、癌に効く、身体にいいと聞いた事は全てしていた。

しかし、結果も空しく、

抗がん剤により脳梗塞を起こしてしまった。

お見舞いに行っても、意識ははっきりしているのは分かるけど、

顔は崩れ、体も少し不自由になっていた。

子育てもせず、借金するほど買い物をし、パチンコ三昧で、ヘビースモーカーでジャンクフード大好き。

いつもほか弁を買って、子供達と食べていた。

私も母も、癌の原因は叔母の生活にあると思っていた。

そうとはいえ、やはり苦しんでいる姿を見ると可哀想だった。

周りの皆は、叔母の夫でさえ、脳梗塞が起こってからもう意識はほぼないと思っていた。

病院に借りている服が乱れて胸が見えそうになっていても、皆しらんぷりだった。

私は彼女が不自由がある手で一生懸命に直しているのが分かった。

「叔母さんはまだちゃんと意識があるよ。服が乱れて恥ずかしいと思っている。

心に寄り添ってあげて欲しい」


と、叔父さんに伝えた。

叔父さんはその言葉で気が付き、叔母さんに寄り添う様になった。


その数週間後、母に誘われて、私と母だけでお見舞いに行った。

叔母さんは、私達の姿を見た瞬間、布団にもぐりこんでしまった。

母は、元気だった時に相当迷惑をかけられていたのだが、

「辛いね。辛いね。元気になろうね。大丈夫だよ。」

と、言いながら、背中をさすり続けた。

母の心の深さに胸が熱くなった。

帰りのエレベーターの中で、母は泣いていた。

「意識はあるのに脳梗塞で後遺症を患ってしまって可哀想ね。」

色んな思いが渦巻いて、私の心のキャパは超えてしまった。

 


病院へ行く前まで、毎日出かけていた叔母。

抗がん剤を始めた途端、脳梗塞になり、人生を終えていった叔母を見て、

薬って恐ろしいと思いました。

結局叔母は、癌が発覚してから、半年もしないうちに亡くなってしまった。

あのまま、抗がん剤をしなければ、

もしかしたら最後の最後まであのままの叔母でいれたのではないか…
 

そちらの方が幸せだったのではないか…

と、考えさせられました。


ここまで読んでくれてありがとう♡

 

 

脳腫瘍になって見た実話のDVDです。
自分に置き換えて見たので、涙が止まりませんでした。
脳腫瘍の情報はまだまだ少ないと思います。
体験談として、私の話も誰かの力になります様に願っています。