松竹梅や宝尽くしなどの、おめでたい文様を、目にすることがあります。お正月はなおさらのことでしょう。

 

お茶の世界でも、お正月は、松竹梅などのお道具が登場します。

 

また、茶道具では、春夏秋冬それぞれの花鳥、春の朧月、秋の名月、野山、夏の海などの景色を「意匠化」し、文様として用いられてきました。

 

文様の「文」は「模様」という意味で、「花鳥文」「唐草文」などと使われます。「花鳥文」は「花鳥の模様」ということですね。

 

 

今日は、日本古来の「文様」について、分かりやすく解説されている本をご紹介させていただきます。

 

 

 

 

例えば「松」は色々な松があります。

若松、唐松、老松、笠松・・・。

 

松一つだけではなく、色々な松それぞれの文様(意匠)についても書かれています。

 

例えば、2本松葉を表す絵、葉っぱ全体を表す絵、松の木全体を表す絵など、沢山ありますよね。その一つ一つの意匠が、解説と共に掲載されています。

 

著者は、茶道資料館の学芸員をされているとのことで、さすが、写真・解説共に感動的に素晴らしい1冊だと思います。

 

中でも私が特に良い思ったのは、単なる文様の由来や歴史の解説にとどまらず、それにまつわる謡曲や歴史物語までも読み解かれ、深く学べることです。

 

そして、著者が選ばれた、各文様を装飾した道具がハッとする程美しく。

 

解説は、茶道経験がなくいかたにも、分かりやすく書かれています。

 

 

 

茶の湯の関係のかただけでなく、

・和模様が好きな方

・着物の模様について知識を得たい方

・デザインのお仕事をされている方

 

このような方たちにも、楽しく読んで頂ける、強くおすすめする素晴らしい1冊です。

 

文様の美しさが際立つ茶道具の写真も、眺めるだけで楽しめます。