突然 大きく揺れたので
はな
は
ハッとまぶたを上げました。
ぼんやりと
あれ?ここ、どこだ?
と
記憶を手繰る。
ああ、そうそう。
会社帰りの電車の中。
途中で座れたので
眠りこけてしまいました。
雨の窓に目をこらす。
もうすぐで
下車する駅であることを知りました。
もう 起きておかないと。
ここで寝たら
どえらいところまで連れて行かれる。。。
また
視線を車内に戻す。
斜め後ろの方では、
さっきの車両の揺れのせいで
転びかけた おばあちゃんが
近くのおっちゃんに支えられていました。
おっちゃん、
おばあちゃんを支えながら
座っている女子高校生に話しかけました。
おねぇちゃん!
替ったってや!
相手は女の子といえども
この御時世
なかなか勇気の必要な発言ですね。
女子高生は
すぐさま 膝の上に広げていた参考書を閉じ
ひとこと。
私、受験生なんですけど?!
まさかの発言でした。
周囲の誰もが
え?え?え、なに?どういうこと?
みたいな感じに。
次第に
おっちゃんも
謎の言葉の意味を理解しはじめ
目つきがキツクなっていきます。
今にも怒鳴りそう。。。
窓の外を見れば
もう、はな
の 降りる駅が間近です。
あ、あの!!
はな
、この駅で降りますから!
どうぞ!!
逃げ出したい一心で席を立ちました。
いたたまれないわ!!
きっと
受験生、大変なんだろうなあ。
でも
『受験生なんですけど』 っていう答えは
正解じゃない気がします。
テストには出ないと思うけど。