みなさんこんにちは。強迫症克服カウンセラーの武田秀隆です。
私自身の克服実体験から得た「治すコツ」をお伝えしています。
さて、今回は強迫症(強迫性障害)のタイプや、それぞれの症状についての記事です。
今回の記事を読むメリットは、次の2点です。
①自分が強迫性障害かどうかわかる。
②治すための方向性がわかる。
強迫症の人って、自分が強迫症と気づいていないことが結構あります。
実は私もその一人でした。
以前私は戸締りや水道などの確認を何回もしていたのですが「心配性」だから仕方ないと思っていたのです。
ですが、その確認行為がどんどんエスカレートしていって、ものすごく時間がかかるようになったのです。
何度確認しても不安になってくるのです。
確認をやり続けるのも苦しい!でもやめるのも不安でたまらない!
そんな苦しさで日常生活に支障が出てきました。
そこでいろいろ調べて初めて自分が強迫症という病気なんだと気づいたのですね。
強迫症の認知度がもっと高くなれば、早めに改善できる人も増えてくると思います。
そのためにも強迫症をよく知っていただきたいと思い今回の記事を書くことにしました。
強迫症とはどんな症状?
強迫症の代表的な症状は「確認を何回も繰り返す」「手洗いを何回も繰り返す」などです。
頭では「もうやる必要はない」とわかっているのですが、どうしてもやめられないのです。
この症状をさらに詳しく見ていくと2つの症状で成り立っています。
一つは強迫観念。もう一つは強迫行為です。
強迫観念というのは不安で嫌な考えやイメージです。
二つ例を挙げますね。
一つ目の例は、さっき火を消したはずなのに「まだ火が消えていない気がする。このまま放っておいたら火事になってしまう」という強迫観念が浮かんだりします。
二つ目の例は、手を洗ったはずなのに「まだ汚れがついているような気がする。このままだと病気になってしまう」という強迫観念が浮かんだりします。
これらの強迫観念が頭に浮かぶと、本人はたまらなく不安になります。
だから、それを打ち消すために、何回も確認したり、何回も手洗いをしたりします。
この何回も過剰にする行為のことを強迫行為といいます。
強迫症というのは、強迫観念と強迫行為がともに強め合い悪循環する症状です。
確認行為や洗浄行為など強迫行為の回数が増え、どんどん時間がかかり、日常生活に支障が出てきます。
不潔恐怖とは
不潔恐怖は、汚れが過剰に気になり以下のような症状が出ます。
□不特定多数の人が触る物を不潔だと感じて触れない。例えば、ドアノブ、買い物かご、公園のベンチなど。
□手を洗わないと、きれいにしておきたい物を触れない。
□一日に何度も手洗いする。手洗いの回数も多く時間も長い。お風呂も長い。
□排泄物(尿や便)の汚れがとても恐ろしく、トイレの後で何度も手を洗う。
□地面に落とした物を拾えない。何度も除菌する。
□服を何度も着替えたり、同じ服を何度も洗濯したりする。
強迫症の人は、汚れが肉眼で見えていなくても、汚れいていると感じたら触れなくなったりします。
特に「不特定多数の人が触る物は汚れている」という強迫観念が強い傾向があり、ドアノブや吊皮に触れない人が多いです。
買い物に支障が出る方もいます。買い物カゴや商品は、誰が触ったかわからないから不潔だと感じ、触れなくなるからです。
財布やお金を地面に落とすと拾えなくなってしまうので買い物できないという人もいます。
そして、自分の体が少しでも汚れていると感じたら、何度も過剰に洗います。
洗っても洗ってもまだ汚れがついているのではないかという強迫観念が浮かんで、いつまでも洗い続けてしまう人が多いです。
「不潔恐怖」は「きれい好き」のレベルではなく、洗浄除菌をやめたくてもやめられないのです。
行動のコントロールができず、日常生活に支障が出るレベルなのが強迫症の不潔恐怖です。
確認強迫とは
確認強迫は、何度も確認を繰り返してしまい日常生活や仕事に支障が出てくる症状です。
例えば、以下ような確認行為を繰り返します。
□戸締り、ガスの元栓、水道、電化製品のスイッチの確認。
□宛先や封筒の中味の確認。
□ゴミの中に大切な物が混じってないか確認。
□忘れ物をしていないかカバンの中を確認。
□落とし物をしていないか財布の中や道路を確認。
□ちゃんと支払ったかどうかレシートの確認
□データ入力のミスがないか確認。
□確認の途中で話しかけられたら最初から確認。
□目で確認しても不安なので、スマホで写真をとることもある。
普通の人なら1回確認すれば大丈夫と思えます。
ですが、確認強迫の人は何度確認しても「もしかしたら」と不安になります。
そして確認行為を繰り返してしまうのです。
確認行為をコントロールできず、やめたくてもやめられないという苦しい症状なのが確認強迫です。
加害恐怖とは
加害恐怖は、自分が相手に危害を加えてしまうことを異常に恐れます。
代表的な症状は、車の運転中に「人を轢いてしまったのではないか」という強迫観念が浮かんで、気になる場所に戻って確認するというものです。
特に人とすれ違ったり、音がした時に不安になることが多いです。
家に帰ってから車に傷がついていないか確認したり、ドライブレコーダーを全て再生して確認する人もいます。
重症化すると、警察に事故の有無を何度も問い合わせるなどの症状も出る場合があります。
車の運転中だけでなく、自転車や歩行中にも、子どもやお年寄りとぶつかってしまったのではないかと不安になって、何度も振り返ったり戻って確認したりすることもあります。
その他にも、
□万引きしてないか不安になり何度もカバンの中を確認したり、万引きするのを恐れて買い物ができなくなる。
□ペットのエサに食べてはいけない物を混ぜていないか不安になり何度も確認する。
□刃物を使うのが怖くなり近くに置かないようにする。
などさまざまな症状があります。
疫病・血液恐怖とは
疫病・血液恐怖で多いのが「エイズ」や「肝炎」などを過剰に恐れるというものです。
赤っぽい汚れを見ただけで感染の不安を感じて何度もシャワーを浴びる人もいます。
またエイズのポスターを見ただけでも不安になって、着替えたりシャワーを浴びたりする人もいます。
赤っぽい汚れを見つけると「これは血ではないのか」と何度も確認したり、もし踏んでしまったらその靴が履けなくなることもあります。
病院や献血バスの近くを通るのが怖くて避けて通る人もいます。
感染の不安に襲われるたびに検査を受ける人もいます。
ここにも汚染が広がっているのではと感じた物に触れなくなったりして日常生活に支障が出る場合も少なくありません。
縁起強迫とは
縁起強迫は「こうしないと悪いことが起こる」という強迫観念が浮かび、行動が不自由になる症状です。
例えば次のような症状があります。
□「必ずこの道を通らなければいけない」「ここを踏んではいけない」などの拘りを無視できない。
□順序へのこだわり。右足から歩くとか、この順番で整理するとか、自分の中のルールがあり、それを無視できない。
□回数へのこだわり。「絶対に〇回しなければいけない、そうしないと悪いことが起こる」と恐れ、無視できない。
□「4」や「9」を避ける。時刻や回数が4や9になるのを避ける。4や9になるとやり直す。
□本人の中に縁起の悪い「単語」があり、それを使ったり口にすることができない。
□縁起が悪いことが頭に浮かぶと何度もおまじないを唱える。縁起の良い言葉を唱えて中和する。
自分でもバカバカしいと自覚しながらも、やらずにはいられないのが縁起強迫です。
「ゲンを担ぐ」というレベルではなく、日常生活に支障が出るレベルなのが縁起強迫です。
神仏・涜神恐怖とは
神仏恐怖とは神様や仏さまに文句を言ったり、失礼なことをすると罰が当たってしまうと過度に恐れ、以下のような強迫行為で生活に支障が出る症状です。
□心を込めてお祈りできないと何度もやり直す。
□神様を罵倒するような言葉が頭に浮かぶたびに「神様ごめんなさい」と謝罪する。罵倒と謝罪を繰り返す。
□神様仏さまに対して悪いイメージが浮かぶといいイメージを必死で浮かべて打ち消そうとする。
不完全恐怖とは
不完全恐怖は不完全な状態に耐えられなくて完全を目指してとことん強迫行為を繰り返す症状です。
確認強迫や洗浄強迫と併発することも多いです。
□整った字が書けるまで何度も書き直す。
□文章を完全に理解しようとして同じ文章を何度も読み直す。
□物を決まった位置に置き、少しでもずれていたら置き直す。左右対称や並べ方にこだわる。
□完全に安心できるまで何度も同じ質問をする。
□完全なスッキリ感を求めて体を洗い続ける。
□大切なことを完全に覚えているか確かめるために頭の中で暗唱を繰り返す。
不完全な状態を受け入れられずに、完全になるまで同じ行動を続けてしまうので疲れてしまい、日常生活に支障が出てきます。
治すための方向性は?
私のカウンセリングでは、お薬に頼るのではなく、行動を改善することによって治すことを目指しています。
行動を改善するというのは、強迫行為を無くしていくトレーニングをするということです。
強迫症(強迫性障害)というのは強迫観念と強迫行為を繰り返す症状です。
この悪循環を断ち切らなければ治りませんね。
問題はどこで断ち切るかです。
強迫観念を断ち切るのか、強迫行為を断ち切るのか、どっちを先に断ち切るべきなのか?
それはずばり、強迫行為を先ず断ち切ることが重要なのです。
なぜなら強迫観念よりも強迫行為の方が意志の力でコントロールできるからです。
強迫観念は意志の力で打ち消そうとすればするほど、かえってパワーアップしてしまいあなたを不安にさせます。
つまり、強迫観念に抵抗することは治す上で作戦負けになりやすいのです。
しかし、強迫行為は行動ですから、意志の力で歯止めをかけることができます。
確かに強迫行為を減らすことは最初とても苦しいかもしれません。
しかし、私自身の克服体験から得た知恵やコツを使えば、強迫行為を減らしていくことが可能です。
私はyoutubeやHPでも「確認を減らすコツ」や「洗浄除菌を減らすコツ」を説明していますが、カウンセリングではさらにお一人お一人の症状に合わせて、丁寧に助言しています。
強迫行為を減らしていけば、強迫観念も少しずつ弱くなっていきます。
あれほど気になっていたことが、「まだ気になるが以前ほどではない」と思えるようになってくるのです。
しつこかった強迫症状でも、正しい努力をすれば、日常生活に支障のないレベルまで改善していくのです。
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