バウムクーヘン

テーマ:



「すっずめがねっ♪

 


おっにわでちょこちょこかくれんぼっ♪



どんなにじょーずにかっくれっても♪
 


かわいいあんよがみえてるよっ♪






みぃーつけたっ☆」





「や…やめ…ひアッ!あっ!!!!!うぁあぁああぁあぁあぁあ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!アァァアアアアアアアアアァァアアアアアアアアアァァアアアアアアアアアァァアアアアアアアアアァァアアアアアアアアアァァアアアアアアアアアァァアアアアアアアアアァァアアアアアアアアアァァアアアアアアアアアァァアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!アァァアアアアアアアアアァァアアアアアアアアアァァアアアアアアアアアァァアアアアアアアアアァァアアアアアアアアぁあぁあぁあぁあぁあぁあアァァアアアアアアアアアァァアアアアアアアアアァァアアアアアアアアぁあぁあアァァアアアアアアアアアァァアアアアアアアアアァァアアアアアアアアアァァアアアアアアアアぁあぁあぁあぁあぁあぁあアァァアアアアアアアアアァァアアアアアアアアアァァアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!アァァアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」








倉庫に響き渡る悲鳴



何度も振り下ろされるナタが


生きた人間の肉を叩き切る音




そして


あいつの声



「うるせ(笑)もうええわ(笑)」




ナタを振り下ろされた人間の頭が割れた音





「フぁ!」







人間が最期に発した音






以上



このくだりを聞くのは4回目



次でラスト




俺だ






どうやら俺はあいつに拉致された5人のなかで



一番かくれんぼが上手だったようだ



やりぃ☆



やりぃ☆じゃねえよ



1ミクロンもやりぃ☆じゃねえよ









夜道を歩いていて





後ろから何かで強く殴られ





拉致された





気づいたら



このやたらでかい倉庫で目覚めた





俺含め5人がいた










サラリーマン


女子高生



主婦



ウサイン・ボルト



共通点はなかった



女子高生以外は少し見覚えがあるような気がしたが


思い出せない



いや知ってる知ってる

 


ウサイン・ボルトは知ってる知ってる


速いやつな、知ってる





全員目覚めてから手分けして出口を探した


それらは閉ざされていて


大声を出しても助けはきそうになかった



この状況を全員が確認し終わるのを待ってたみたいに


どこかのスピーカーからあいつの声が流れた



「おはよーーーーーーーーー☆みんな予定とかあんのにごめん!!!!ほっっっんまごめん!!!!!!ありがとうマジで!!!!ありがとうな!!!!!!!!!!マジ感謝!!!!お前らと親マジ感謝!!!!最高!!!!!!!!!!!ブラザーだぜ!!!!!!!!いえー!!!!!!!!
だいたいこのかんじでわかるやろ?
そうっ☆それっ☆大なわとびしますっ☆
まずふたり縄まわすやつきめて…なんでやねん(笑)この流れで大なわとびなんでやねん(笑)ウソウソ(笑)ウソやん(笑)おもろ(笑)デスゲームデスゲーム(笑)デスゲームにきまってるやん(笑)おもろ(笑)
はい!!!おわり!!!!おもしろくてたのしいかんじはここまで!こっからはちゃんとしよ!ちゃんとしよな!ふざけてケガとかしたらあかんし!マジメマジメ!マジメで!
『急にデスゲームってゆわれても…はじめてだからよくわかんない…うまくできるか不安だぉ…』みんなそう思ってるよな。でも大丈夫!はじめてでも大丈夫なかんじにしたから!ルールは簡単!みんなご存じ【かくれんぼ】!!!!俺が今から100かぞえる!そのあいだにみんなはそこかしこにかくれる!俺が探す!みつけたら殺す!以上!やっべーー☆わかりやすすぎぃーーーーーー☆初心者むけーーーーー☆親切ぅーーーーーーー☆いやもうちょいかんがえろよ!って?(笑)うるせえわ(笑)俺殺したいだけやから(笑)ほないくよーーーーーー☆いーーーーーーち!にーーーーーい!さーーーーーーーーん!しーーーーーー…」







俺たちは考えた


今からあいつが本当に俺たちを殺しに来るとしても


こちらは5人だ


なんとかなるんじゃないか



武器になるものを探した


しかし消火器やモップですら見当たらない

そういったものはあらかじめ回収されているようだった


あいつの声が倉庫に響く





「ろくじゅーいーーーち!!ろくじゅーにーーーい!!!ろくじゅーさーーーーーん!!!ろくじゅーしーーー…」




とりあえず女子高生と主婦はあいつの言う通り隠れた



俺とサラリーマンはできる限りの英語で状況を説明しようとしたがよくわかってないようでウサイン・ボルトはただただオロオロしている


マジクソ・ウサイン・ボルト



世界一足速いだけの役立たず




マジクソ・ウサイン・ボルト



マジクソ・ウサイン・ボルトは無視してとにかくあいつがきたら俺とサラリーマンで戦うか?


いや、あいつがどんな武器をもってるかわからない

もしも銃であれば二人とも撃たれて終わりだ


「ななじゅうきゅーーーーう!はちじゅーーーーーーーーう!はちじゅういーーーーーーち!はちじゅうにーーーーーー…」



とりあえず隠れたほうがいい




隠れてあいつの様子を見て考えるしかない



俺たちはただ迫る恐怖でその結論を選ぶしかなく


それぞれ隠れた


マジクソ・ウサイン・ボルトはなにも理解できていないがただ促されるがままにサラリーマンと隠れた



「きゅうじゅうきゅーーーーーー!!ひゃく!!!!よっしゃ!!!いくで!!!!!!!!!!あ、ドキドキする(笑)いくわな(笑)よし!みんな不本意ではあるやろけど!イヤイヤゆうててもやらなあかんときはやらなあかんからな!こうゆうのたのしんだもんがちやから!みんなたのしもな!たのしんでいこ!いっきまー☆」





しばらくして





遠くの扉が開く音が聞こえた





俺は見ていた





あいつが大きな身をかがめて扉から入ってくるのを




目を疑った





身長7メートルはある全身真っ白な人の形をした何かが




ナタを持って入ってくるのを





人間じゃなかった





人間じゃない何かがナタを持って入ってきた




なんだあいつは




抵抗もなにもない





あんなもん人間がどうにかできるやつじゃない






俺は抵抗する可能性を完全に忘れて




息を殺し


目を閉じて



【かくれんぼ】にマジメに参加した



そのあとは4回




【人が殺される音】がきこえた




あいつは最後のひとり



俺を探し始めた
















ここまでは




【1回目】と同じだ




【今回】は





【101回目】だ



俺は

このゲームを




100回クリアしている




【1回目】の続きはこうだった






「すっずめがねっ♪
 


おっにわでちょこちょこかくれんぼっ♪


どんなにじょーずにかっくれっても♪
 


かわいいあんよがみえてるよっ♪」


あいつは【かくれんぼ】で隠れている人間をみつけたとき

必ずこの歌を歌う

なんか快楽殺人鬼っぽいムードをすっごくかもしだせるからだ



快楽殺人鬼な自分にへべれけに酔い倒している




そこにあいつのスキがあった


歌い終わるまでは

【殺される側】はビビって小便ちびりそうなだけだと思って油断してんのまるだしだった


俺は「すっずめっがねっ♪おっにわでちょ…」ぐらいで

隠れていたコンテナからとびだして身長7メートルのあいつのスネをバタフライナイフで突き刺した


なぜバタフライナイフを持っていたか


俺は通り魔だからだ



人を刺そうと思って夜道を歩いてるところを拉致された

サラリーマンと話しあってるときは俺がバタフライナイフを持ってることは言わなかった

もし助かって警察に事情を聞かれたら俺も捕まるかもしれない

あいつが人間ではないとわかったときは抵抗する気力を失ったが

それは俺ではない誰かが殺されていく時の話で


いざ自分が殺されるとなるとやるしかない




刺した


あいつが驚いて振り下ろしたナタは




俺の肩の横ギリギリを通って地面に叩きつけられた



無我夢中で刺した



あいつはしゃがみこんで絶叫した



「いった!!!!!!!!!!!うーーーわ!!!!!!!!!!!いった!!!!!!!!!!!お前!!!!!!!!ナイフ!!!!?????マジか!!!!!!!!!!!あ!!!!!!!!!あいつら!!!!!!!!!!!!マジか!!!!!!!うおおおおお!!!!!!!!!!!!ミスった!!!!!!!!!いった!!!!!!!!!!ちょっとまって!!!!!!!!!!ちょっと!!!!!!!!!!!!ちょ…」


俺はしゃがみこんで叫んでいるあいつの頭にバタフライナイフを突き刺した


目の前が真っ暗になって





監督やらスタッフの名前が羅列された【エンドロール】が流れた





なんだこれ


夢なんだろうか



たしかに最初から



現実感がない





【END】の文字で止まり



 
また真っ暗になり




【クリア報酬】の画面になった





「クリアおめでとうございます☆クリア報酬アイテムを受け取ってからゲームをリスタートできます☆次の項目からお選び下さい☆


『無限ロケットランチャー』



『ステルス迷彩』




『バウムクーヘン』」




俺はなんだかわからないまま




『無限ロケットランチャー』を選び




【2回目】がスタートした




また倉庫で目覚めたところからで


俺の横にはロケットランチャーとその使い方をシンプルに書いたA4サイズの紙がセロテではっつけてあった

そしてさっきと同じくマジクソ・ウサイン・ボルト等のくだりがあって



あいつが倉庫に入ってきた瞬間ロケットランチャーをぶっぱなして殺して



クリアした

再び【クリア報酬】の画面になり



『無限ロケットランチャー』を選び

【3回目】もクリアした


【5回目】からはこの繰り返す意味不明な状況を打開する方法を探したがみつからなかった

【26回目】はよくわからない『ステルス迷彩』を1回だけ選んでみた

『ステルス迷彩』は頭からつま先まで覆う全身タイツで


着ると俺の姿は周りから見えなくなった


『無限ロケットランチャー』より危険ではあったが


何が起きているかわからないあいつをバタフライナイフで有無を言わさず殺すことができた



しかし結局【クリア報酬】の画面に戻るだけでこのループからは脱出できなかった





そして【101回目】



俺はついに『バウムクーヘン』を選んだ




なぜここまで選ばなかったか


バタフライナイフだけで


【人ではない】あいつに勝てた【1回目】は奇跡に近い



もし失敗して【ゲームオーバー】になったら


本当に死ぬのか

それともこのゲーム的な空間から脱出して元の平穏な通り魔生活に戻れるのか


とにかくクリアし続ければ何回目かで戻れるのか



なにもわからなかったからだ



しかし【100回目】をクリアして何も変わらなかったことでようやく決心がついた

『バウムクーヘン』を選んでクリアする

それを試してみるしかない





ここからが【101回目】の続きだ






【1回目】と同じように



あいつが4人を殺してコンテナの中に俺が隠れていることを確信して


歌いだす

 

「すっずめっがねっ♪おっにわでちょこちょこかくれんぼっ♪どんなに…」



ぐらいで



隠れていたコンテナからとびだして身長7メートルのあいつの足をバタフライナイフで突き刺そうとした

しかし


【1回目】の



追い込まれた精神状況と



それを再現しようとしてる【101回目】では緊張感が違う



『ライブ感』はうまくいったときと同じように出せるもんじゃない








微妙にタイミングが遅れたのが悪かったのか


なんやかんやで俺は7メートルのあいつに頭を押さえつけられ




倒れた


終わった


こうなると化け物相手になす術はない





ミスった



【ゲームオーバー】だ



終わった





興奮してるあいつが叫ぶ


「うーーーーーーーーわ!!!!!!!!!ビビった!!!!!!!!!!!マジかよ!!!!!!!!!!!やばいやばいやばい!!!!!!!!!!!ナイフもってるやん!!!!!!!!!!!なんでやねん!!!!!!!あいつら!!!!!!!マジか!!!!やば!!!!こんなん聞いてないぞ!!!!!!!あっぶ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!あっぶ!!!!!!!!!!このパターンあるんかい!!!!!!ドキドキした!!!!!!!ドキドキしたわ!!!!やべー!!!おつかれ!!!!!」


あいつが何を言ってるか理解できなかったが



俺はバタフライナイフを放し


『バウムクーヘン』をあいつの目の前に突き出した


完全に正気ではなかった



とにかく俺は何か言って

もうすぐどうせ消える命の時間を

少しでも稼ごうとした




「みえるか?『俺』が?『バウムクーヘンを突き出してる俺』じゃない。『バウムクーヘンの穴から見える俺』だ。難しいか?いや、できる。こんなに人を殺せるお前なら絶対できる。お前は自分の欲望に正直だ。お前ならできる。『バウムクーヘンの穴から見える俺』をみるんだ。そう。そうだ。『バウムクーヘンの穴から見える俺』はどうだ?とても小さいだろ?だが実際はそうではない。俺は身長が179センチある。そんなに小さくはない。ではなぜ小さく見えるかわかるか?そう、バウムクーヘンの穴から見てるからだ。バウムクーヘンさえなければお前は真実を、本当の世界を知ることができる。俺を殺したらいい。俺を殺したあとやるべきことはわかってるな?バウムクーヘンを食べろ。お前の目の前のバウムクーヘンを食べてしまえば、お前は真実を知ることができる。真実を追え。お前は刑事だ。真実を追うんだ。泥まみれになっても、ひたすら真実を追うのが刑事だ。お前はバウムクーヘンを食べるべきなんだ。」






イミフ





マジイミフなんですけど




でも




それを聞いたあいつは



なぜか



大粒の涙を流した






「俺が…俺がみてる世界は…本当の自分を…本当の自分を出してしまえば…嫌われる世界にみえた…俺は嫌われるのがこわい…あわせてたんだ…社会に…親に…友達に…恋人に…すべてに…つらかった…俺が存在していい世界じゃなかった…でも…それは…俺が勝手につくったバウムクーヘンからみてた世界だ…たぶん世界は…俺がバウムクーヘンからみてる世界より大きい…きっと…本当の俺も…存在していい世界なのに…俺を理解してくれる人が本当は…たくさんいる世界なのに…探そうとしなかった…本当の自分をさらけ出して…理解してくれる人を探そうとしなかったんだ…そうすれば…俺と同じ……悩んでるその人を救うこともできたかもしれない……俺が勇気を出せば…救うこともできたかもしれないのに……俺は……勝手に俺がつくったバウムクーヘンから世界をみてた…そんなバウムクーヘン…たべてしまえばいいよな……ありがとう…てゆうか…だれが刑事やねん…………刑事ちゃうわ………」






すごいくみとってくれた!!!!!!!!!


マジイミフなことゆうたのにすっっっごいくみとってくれた!!!!!!!!!!!



そのうえでふざけすぎた刑事のとこはなんとかつっこんでくれた!!!!!!



関西人のそうゆうとこはすき!!!!!!!





あいつは泣きながら


俺が突き出したバウムクーヘンを食べはじめた



スキだらけだった




俺はあいつの首にバタフライナイフを突き刺した



よっしゃ





これは終わったかんじっしょ



ふぃーーーーーーー!!!!!




つかれたーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!


長かったーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!



この話長かったーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!





もうマジでやりたないでーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!




て思ってたら




あいつが最期に叫びだした








「いて!!!!いてえ!!!!!!!!!!!いてええええええ!!!!!!!!!!!ウソやろ!!!!!!!!!!!!!!!!!【執行側】は痛み感じんのちゃうんか!!!!!!!!!!!なんやこれ!!!!!!!!!!!おい!!!!!ぐ!!!!!!お前ら!!!!!!!!みとんねやろ!!!!!!!!!!クソ弁護士!!!!!!!!!!!!!そもそも【死刑囚】にウサイン・ボルトおる時点で!!!!おかしいおもてたわ!!!!!クソ!!!死ぬんか!!!!?????!!!これ!!!!!が!!!寒!!!あ!!!!さっむ!!!!!!寒!!!!!!!!!!!あ………………」







目の前が真っ黒になって









監督やらスタッフの名前が羅列された【エンドロール】が流れた







【END】の文字で止まり








また真っ黒になり







ぼんやりと







ベッドで寝てるような感覚







少し








声が聞こえた








「続行」








また真っ暗になって











【新・クリア報酬】の画面になった







「『バウムクーヘン』でのクリアおめでとうございます☆新たなクリア報酬アイテムを受け取ってからゲームをリスタートできます☆次の項目からお選び下さい☆




『無限いちごポッキー』


『パンスト』


『ひぃおじいちゃん』」






俺はなんだかわからないまま






『ひぃおじいちゃん』を選び






【102回目】がスタートした



































































































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