結婚したときに「銀杏の木のまな板」を買いました。
有名な老舗の刃物屋さんで、名前を入れた包丁も書いました。
北欧のメーカーのお掃除道具や
長く使えるステンレスの鍋やフライパンも書いました。
私は「丁寧な暮らし」にとても憧れていた。
クウネルとか&premiumとか天然生活とか
そんな雑誌が大好きだったし
ネットショップの「北欧、暮らしの道具店」で扱っているようなアイテムが好きだった。
初めて就職してからずっとどんな職場に行っても
仕事が辛くて常にやめたかったので、
結婚したら仕事をやめて専業主婦(か、好きなカフェかなんかでパート)になり
存分に「丁寧な暮らし」をしたいと思っていました。
結婚した頃、私は一度目の起業の売上がまったく立たなくなってどうにもならない状態で
動き続けることが苦しくて仕方がなくて
親には内緒で少しだけ仕事をお休み(お金は全て親に借りていたので)しようとしていました。
いつかは借金返済のために働かないといけないから、期間限定ではあるけど
憧れの専業主婦!!!
旦那さんの両親にいただいたお祝いで購入した、
憧れの道具たちに囲まれて
憧れの「丁寧な暮らし」を実現するチャンス!!
そして、はじまった主婦生活で私は驚愕の事実に気付くのでした。
「丁寧な暮らし」めんどくさい。
😇😇😇
銀杏の木のまな板は重たい。
ステンレスのフライパンはくっつきやすい。
名前を入れた包丁はちゃんと研がないと錆びてしまう。
北欧メーカーのお掃除道具よりクイックルワイパーの方が使いやすいと思ってしまう。
🤣🤣🤣
私が憧れていた「丁寧な暮らし」は
素敵!とかオシャレ!なだけではなくて
手間をかけることや、道具を手入れして長く使うことや、その時間自体を楽しむこと。
そんなベースの上に成り立っていたことが分かりました。
そして、実際にやってみると
そのベースが私にはないことも😂😂
そのとき、ふと思ったのは
私が「丁寧な暮らし」に憧れていた、
その理由。
私が「丁寧な暮らし」に憧れていたのは
仕事が上手くいかなくて、
毎日の営業活動が嫌すぎて、
かといって他にできることもなくて、
親に借金したのに上手くいかない自分が不甲斐なくて、
未来がまったく見えなくて苦しい。
そんなとき、ふと開く雑誌に載っている人たちは
何にも追われず、
呼吸が深く、
日々に幸福を感じて生きているように見えた。
その様子が、めちゃくちゃ羨ましかった。
当時、私が本当に本当に本当に欲しかったのは
銀杏の木のまな板でも、
名前を入れた包丁でも、
北欧のメーカーのお掃除道具でも、
長く使えるステンレスの鍋やフライパンでもなく
日々に幸福を感じて生きること。
ただそれだけだったのです。
続きます😎