敬老の日があと1時間弱で変わるので、日をまたぐ前に書いておこうと思い立ちました。
私の母は、いろいろと心底困った人なのですが、一つ、ここは特に尊敬しているところがあります。
それは、今も働いているところ。
齢アラウンド80なのですが、今でも現役で公文の教室をして、今でも普通に、高校数学も英語も漢文も解いています。
*公文の指導者は年間で規定の枚数の教材を解いて提出する必要があります。(単位取得)
母は、40歳を超えてから開業して教室を始めて、今でも個人事業主で仕事をできているのですが、よく考えれば、これは世の中に逆行した事例と思います。
40歳から仕事の第2スタートを切ったわけですから。
60歳で定年とか65歳で定年など無く、普通に元気。
一般的には、60歳過ぎた人たちの仕事は何かといえば、単純作業の部類になるのが普通。
体力も知力も衰え始めてきているから、どうしても、そういう仕事の与え方しかできなくなってしまうのはわかるけれど、それはちょっと寂しい。
一方で、自分が60代70代になった時を想像するのですが、今の母を見ていると、まだまだ自分の力で生きていける世代だなと思うのです。
母もそうであり、また母の周囲の公文の多くの指導者が70代80代になっても、教室を運営できている。
メールはするし、ブラインドタッチもみんなしているし、青色申告も会計ソフトで入力して申告している。
LINEのグループも作ってやりとりして、今年はZoomの講習を受けたら、Zoomでやりとりしていた。
たぶん初めのうちは誰かに手取り足取りだけど、そのうちに一人でいろいろできるようになって、もう自由自在。
体力は年相応に落ちやすくなるけれど、知力は、使い続けている限り、低下はしにくいのではないかと思えるほど、皆さんよく頭を動かしています。
娘の公文の教室にも、推定70代の方がスタッフをしていますが、一番手際もよく採点も早く、そして手が空くと、微分を解いていらっしゃる。
私の勝手な想像ですが、知力は維持しやすいと思っていて、なおかつ個人で開業しているならば、それは定年など考えずに、自分が働ける時まで働けるんだろうと見ています。
これは、私の晩年の理想です。
早く仕事を辞めたいと思う人も多いと思いますが、私は、「いつまで仕事ができるんだろうか」と期待を膨らませ、生きることは仕事をすること、みたいな感覚があります。
そうなると、体を酷使する働き方ではなく、知力を持って、継続して社会に貢献できる働き方ができたなら、こんな素敵な話はないと思うのです。
なので、母の晩年の生き方には、心から尊敬します。
まあ、あの歳で借金を返さなきゃいけないから働いているというのもあるけれど、銀行も、あの年齢の母によく貸したもんだと思えば、まだまだ働けそうで返してもらえると思ったんだろうと。
それに、借金がなくても、きっと母は働いていたと思う。
じっと止まっていられない人だから。
そんな背景もあるけれど、うん、やっぱり晩年も働いている母の姿は、素直に、カッコイイと思う。