今でも思い出す衝撃的な作品は、21回大会優勝の「カブト対クワガタ」
実物を見たが、あの質感は私ら素人の物とは確実に違っていた。
美術館の〇〇氏の芸術作品展の一角にあっても何ら違和感がない。
寡黙な青年は何か遙か遠くを見ている様な目で、他とは明らかに違う印象でした。
彼が狙うのは優勝。
彼には、どうしても優勝しなければならない訳があった。
彼は映画のマットペイント(合成に使う背景画)に興味を持ち
ちょうど来日していたハリウッドで活躍しているロッコ・ジョフレ氏に直接会って熱い気持ちを伝える。
「アメリカにおいでょ」
彼は熱心な彼を受け入れると言ってくれた。
さて、アメリカまで渡る資金はどうする?
バイトしててもいつの事やら。
そんな時に仮装大賞の優勝賞金が100万円である事を知る。
狙うのは2位でも3位でもない。
ただ優勝賞金の100万円を手にするのみである。
そして軽く予選を通過し、本選で望み通りの優勝を果たした。
優勝のトロフィーをもらって嬉しかったが、彼のゴールはここではない。
優勝は単なる通過点なのだ。
私の場合は、ひたすら優勝だけを目指して「優勝賞金で〇〇を買います」ってのがゴール。
なんか恥ずかしくも思えます。
それからの彼は、アメリカでの活躍が実を結び、ジョージルーカスやスピルバーグの映画に関わる様になる。
エンドロールには確かに彼の名前がクレジットされている。
まさにアメリカンドリームを手に入れたカッコイイ男なのである
上杉裕世
経歴[編集]
- 1981年、ひろしま美術研究所で学んだ後、武蔵野美術大学油絵科に合格。
- 1985年、マットペインターのロッコ・ジョフレに師事。
- 1987年、アメリカ合衆国に渡り、師のジョフレのスタジオに勤める。
- 1989年、ILMに入社。以後2013年まで数々の映画作品のマットアーティストとして参加した。
- 2017年、株式会社オムニバス・ジャパンに入社。上席執行役員。
- 2018年、Softbankのギガ国物語シリーズのVFXを監修。
1987年、渡米費用を稼ぐために『欽ちゃんの仮装大賞』に出場し優勝[注 1]。賞金100万円でアメリカに渡ったというユニークな経歴を持つ。