◆低温真空抽出法~新しいアロマセラピーの可能性~


こんにちは。アロマサロン ヒーリングスペース・リファイン

代表、英国IFA認定アロマセラピスト堀尾嘉秀です。


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先日、フレグランスジャーナル社のセミナーに参加しました。


たった2時間のセミナーでしたがこんな素晴らしいディプロマもいただいちゃいました!!


男性アロマセラピストのつぶやき-DSC_0245.jpg


セミナーのテーマは、

「精油製造の常識を変える新しい精油技術と

農の六次産業としての和精油」

で、講師は、学術博士の川人紫先生。

メディカルアロマセラピー精油、

「ハイパープランツ」の創業者です。


新しい精油抽出法と言うと、

超臨海流体抽出法が浮かぶかと思いますが、

今回セミナーで紹介されたのは、

「低温真空抽出法」という方法です。


この低温真空抽出法では、

従来の多くの精油が抽出される、

水蒸気蒸留法では、

水と高熱を加えて抽出されますが、

これは、真空状態にすることで、

沸点を低くし、45℃で主に芳香物質を抽出する方法だそうです。

そのため、水や熱に弱い成分も抽出することが可能です。


精油と書かず、なぜ、

「主に芳香物質」等と言う書き方をしたかというと、

この方法で抽出されたものは、

植物の水溶性成分(細胞の中の水分など)と、

脂溶性成分(主に芳香成分)が、一緒に抽出され、

脂溶性成分が少ない植物の場合は、

水溶性成分と脂溶性成分が分離せず抽出されるそうです。

レモングラスなどは、水蒸気蒸留法で抽出するときと同じように、

水溶性成分と脂溶性成分が分離して抽出されるとのことですが、

水蒸気蒸留法と違うところは、

この水溶性成分は100パーセント植物に含まれる水分だということ。


水蒸気蒸留法の場合は、当たり前ですが、

水が加わって抽出され、

フローラルウォーターとか、

ハイドロゾルなどと言われますよね。


この低温真空抽出法で抽出された液体は、

溶剤や水蒸気を一切使用していないため、

100パーセント原料由来の芳香エキスの抽出が可能なのだそうです。

精油とは違って水溶性成分も多く含まれるので、

川人先生は、

「セルエキストラクト」と呼んでいました。


この方法だと、

今までの抽出法、

水蒸気蒸留法、圧搾法、有機溶剤抽出法、油脂吸着法、超臨海流体抽出法などでは、

抽出できなかった植物の芳香成分が抽出できるそうです。


セミナーで嗅がせていただいたのは、

精油では抽出が難しいきんもくせい。

繊細で良い香りでした。


あと、ラベンダーも嗅がせていただきましたが、

この低温真空抽出法だと、

酢酸リナリルの含有が多くなるとのこと。

これは、酢酸リナリルが熱に弱い成分だから、

高熱を加えないこちらの方法だと多く抽出されるとのことでした。


また、一番興味深かったのが、

「畳の香り」

たたみは、原料がイグサですが、

あの、畳の香りは、イグサを泥染めした香りなのだそうで、

細かいところは特許などの関係で教えていただけませんでしたが、

泥染めしたイグサの香り、つまり畳の香りを、

他のものを一切加えずに、

忠実に抽出できるのだそうです。

なんか、変な日本語ですが・・・


香りを嗅がせていただきましたが、

まさしく、畳を新しくしたときのような香りがしていました~。


将来的に、

お年寄りで、「畳の上で死にたい」というような年代の方、

老人ホームやケアハウス、病院などで使用できるのでは?

というお話でした。


低温真空抽出法によって、

今までよりもたくさんの植物の香りが抽出することが可能なので、

これを使って、地域の特産の六次産業の発展の可能性についても言及しており、

例として、沖縄のシークワーサーなども出てきて、

香りも巣晴らしかったです。

シークワーサーなどのかんきつの特産物は、

果皮は従来捨ててしまっていますが、

捨てているものからも、商品が作れるようになります。


先ほど出てきたラベンダーのセルエキストラクトを、

100倍に希釈したスプレーを手に塗布して、

その後、使い捨ての手袋をしてしばらく置いたところ、

てがすべすべ、しっとりとして、

化粧品としての可能性も、素晴らしいなと感じました。


アロマセラピーは、現段階では、

植物の脂溶性成分を中心に使用しようし、

飲用としては使用をオススメできませんでしたが、

低温真空抽出法で抽出した、セルエキストラクトは、

植物によっては飲用としても使用が可能になる可能性があるそうです。

海水をこの低温真空抽出の機会にかけると、

「真水」の状態になるのだそうです。


現段階では、

このセルエキストラクトの、

有効な使用方法を色々試したり、

臨床を重ねている最中で、

市場に出回るのはまだ先の話になりそうですが、

流通するようになれば、新たなアロマセラピー、

アロマセラピーにとどまらず、

様々な分野で有益に使用できるようになるかもしれません。

抽出に使用する機械も、比較的安価で提供できる可能性があるそうです。


この講演会では、

セルエキストラクトの有効な使用方法を研究されていて、

オリンピック選手などの身体のケアにも携わっている、

米山奈保美先生もお話されたのですが、

目からうろこのような、トリートメントのヒントもたくさんいただきました。


たった2時間の講座でしたが、

すごく勉強になったセミナーでした!


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